すべてがFになる: The perfect insider (バーズコミックス)
- ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ (2001年9月28日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784789783804
感想・レビュー・書評
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森博嗣の小説をコミカライズした作品。孤島の研究所で世間と隔離した生活を送る天才科学者・真賀田四季。ゼミ旅行でその島を訪れたN大助教授・犀川と学生・西之園は、その研究所で発生した密室殺人の謎へ挑むことになる。天才科学者の不可解な死を解き明かすことができるのか。
原作は理系的な雰囲気が苦手でなかなか読めず、その代わりに読んだマンガ版。浅田寅ヲ作品は難解というイメージがあるものの、このコミカライズは読みやすく感じる。それでいて視覚的なセンスをしっかりスパイスに効かせた作品になっていて面白い。犀川が真相に気づくシーンの演出が好き。ミステリを動的な絵にして自由に描いている感じがいい。
あとは、随所に見られる哲学的な言い回しが印象深い。いくつかの台詞を引用しておきたい。
「自然を遮断して生きていけるというのは それだけ自分の中に美しいものがあるということだよ 自然を見て美しいなと思うこと自体不自然だ 汚れた生活をしている証拠だよ」
「どこにいるのかは問題じゃない 会いたいか会いたくないか それが距離を決めるのよ」
「思い出は全部記憶してるけどね 記憶は全部は思い出せないんだ」
「現実って何でしょう……」
「現実とは何かと考える瞬間にだけ 人間の思考に現れる幻想だ 普段はそんなもの存在しない」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
浅田寅ヲが漫画化してくれてよかった
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森博嗣のミステリーはまずはこれから読もう。マニアックな作者の個性がてんこもりです。