友だちになれたら、きっと。―イスラエルとパレスチナの少女の文通 (この地球を生きる子どもたち)

  • 鈴木出版
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本棚登録 : 22
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790231967

作品紹介・あらすじ

イスラエルの少女ガトリと、パレスチナの少女メルヴェトが文通を始めたのは、イスラエルとパレスチナの紛争が続く中のことでした。平和を望み、家族を大切に思う子どもたちの記録。

感想・レビュー・書評

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  • イスラエルの少女とパレスチナの少女とが文通するというノンフィクション。

    彼女らを取り巻く出来事の中で、心境が変化していく過程がよくわかる。

    残念なのは、手紙文はわかりやすいのに、その当時の状況説明の文章(作者によるもの)が、わかりにくい。特に指示語が不明確で、出来事の前後関係が混乱してしまう。

    また、彼女たちは交際を絶ってしまったにも拘わらず、希望的を持たせる終わりかたをしているが、ちょっとその締めくくり方が強引に感じられた。

    ノンフクションならば、(彼女らのものは難しいにしても近辺の)写真や、手紙そのものも載せて欲しかった。

  • エルサレムのすぐ近くの街デヘイシャの難民キャンプに住むパレスチナ人少女メルヴェトとエルサレムに住むユダヤ人少女ガリトが12歳の時に始めた文通の記録。間をとりもったのがこの本の編者のリツァ。ギリシャ生まれのベルギー人で英語とフランス語を話す。リツァは1962年生まれなので、彼女がメルヴェルとガリトに会った1988年には26歳頃だったことになる。基本的にメルヴェトはアラビア語、ガリトはヘブライ語を話していたと思われるけれど、リツァはどちらも理解することができたのだろうか。そのあたりの事情ももう少し詳しく知りたいところだ。
     イスラエルによる占領に立ち向かうためインティファーダが行われていた頃。パレスチナの少女とイスラエルの少女は、それぞれの国同士が仲良くないことは知りながら、お互いのことを知りたいと思う。どんな音楽が好きか、家ではどんなふうに過ごしているのか、学校では何をしているのか…。ふたりの手紙を読んでいると、人はやはり自分の経験した範囲で物事を考えがちであることがわかる。学校が閉鎖されてしまったメルヴェトは、最初は嬉しかったけど、何か月も続くと「石けりもなわとびももう十分」(p.37)と書く。「ユダヤ人はきらい。アラブ人にひどいことばかりするから」(p.46)。これに対しガリトは「たくさんのアラブ人が、私達ユダヤ人を海に投げ込んでやる、と言っている」(p.51)と書き、「なぜ石を投げるのをやめないの」と問う。イスラエルとパレスチナは争っているけれど、おたがいは普通の友達であると感じている。社会の変化の中でその気持ちもゆらぐのだが、二人はついに会うことになる…
     やがて文通が途絶え、リツァが次に彼女達に会った時には二人とも母になっていた。彼女達はどんなふうに成長したのか…
     ヘブライ語の挨拶に使う「シャローム」もアラビア語の挨拶に使う「サラーム」もどちらも「平和」という意味(p.17)。「エルサレム」とは「平和の町」という意味(p.16)。みんな平和を願っているのに、平和な日々は訪れない…
     当事者達もどうしていいかわからず、私達もどうしていいかわからないけれど、こうして対話をすることが少しでもお互いを知るきっかけになることは確かで、お互いのことを人間として実感することができるようになることも確かで、結局、平和への道はこんな小さな交流のようなことから始めるのがいいのかもしれない。
     日本の同年代の子ども達(小学校高学年から中学生)にもぜひ読んでほしい。

  • イスラエルの少女とパレスチナの少女が交わす文通とその後についてのノンフィクション。
    好きな遊びを尋ね、あなたは友達と言い合う幼い少女達だけれど、既に争いによる憎悪は育ち始めていて胸が苦しくなる。
    手紙の間に丁寧に情勢の変化も記述されていて、子どもから大人まで読まれて欲しい一冊。

  • イスラエルとパレスチナの少女の文通の記録。
    二人の手紙のやり取りの他に、当時の状況が詳しく説明されており、ぼんやりとしかわかっていたかったイスラエルとパレスチナの関係が、とてもよくわかった。

    やられたら、やり返す。
    復讐の連鎖。
    どこかで歩み寄らなければ、永遠に和解することはできないだろう。
    でも、それは完全に第三者だから言えることであって、当事者たちにしか絶対にわからない苦悩や怒り、悲しみなどがある。

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