わたしの心のなか (この地球を生きる子どもたち)

制作 : Sharon M. Draper  横山 和江 
  • 鈴木出版
4.23
  • (10)
  • (12)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 79
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790232940

作品紹介・あらすじ

メロディは、生まれてからずっと、さまざまな言葉や事柄をすべて記憶してきた。でも、脳性麻痺のせいで言葉を発することができず、それを知る人はだれもいなかった。10歳のとき、かわりに声を出してくれる機器を手に入れ、言葉で伝えることができるようになる。知性を証明できたメロディの人生は、大きくかわっていく。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 脳性麻痺の為に重度の障害があり、コミュニケーションもままならない少女の心の中を描く。
    車椅子に座り、身体の自由もきかないけれど、心は自由に羽ばたき、身体に不自由がない人以上に物事を深く捉え、考えている。そして、ウィットも忘れない。
    心無い仕打ちを受けもする、美化をせず事実に基づいた物語。

  • 30章の終わりからはしばらく先を読むのが怖かった。

    全体を通して、とてもハッピーエンドとは言えないけれどこれが現実なんだと思った。

  • メロディの心のなか、痛いよ。ありのまま受け入れてくれる親と、サポートしてくれる多くの人がいて、たくさんの愛を受けとっていても、それでも多くのものと戦ってる。心ない視線や言葉、嫉妬、冷たさ。自分が動けないという悔しさ。いつもいつもいつも、それに負けじと頑張っている。不幸だとは思わないけど(この世の中に生まれて来るには、必ず何かの意味があると、思うから)、痛んだ。私の心のなかにも似たような痛さがあるから。でも、心を閉ざさないところが強さかな。そういう心を持ったこどもに生まれることができたメロディは幸せだよ。原題はout of my mindで、金魚鉢から飛び出す金魚の装丁(表1?)がぴったりで、表4?を見れば、金魚鉢の中にいる金魚。邦題のわたしの心のなか、ってすごく響いた。大切な人に勧めたい本だな。

  • 脳性まひの女の子の話なんだけど、それと同じくらい11歳の女の子の話。細やかな心の動きが丁寧に描かれていてよかった。

  • 表紙がきれいだったので手に取った。
    ずっしりしっかりした話で文章もきれい。おすすめ。
    ドキドキしたり心臓が縮む思いをしたり嬉しくなったりしながら読んだ。
    障害、教育、インクルージョン、マスコミの障害者に対する扱い、子供同士のつきあい、第二子問題、言語的マイノリティ、他人とのつながり、とか色んな要素がつまってる。

    主人公のメロディはもうすぐ11歳の賢い女の子。
    頭の中には言葉があふれているけれど、それを外に出すすべがない。
    脳性マヒで、話すことも自分の体を支えることもできないから。

    外からはメロディの頭の中がみえない。
    大抵の人はこんなぐにゃぐにゃでよだれをたらした子がなにか考えてるなんて思いもしない。
    両親やお隣の女性や良い先生はメロディの知性に気づいているけれど、具体的な内容まではわからない。
    最初はお手製のカード。それから言葉を入力できる道具の存在に気づいて、メロディはようやく言葉を外に出す手段を手に入れる。

    大人も子供も専門家も一般人も関係なく、わかろうとする人もいればわかろうとしない人もいる。
    配慮のつもりで排除する人もいるし、悪意も、半端な善意も、愛ある厳しさもある。
    一対一ならちゃんと付き合えるけれど集団の中だと他人の目を気にしてしまう弱い子供心だってある。
    どんな場所にもどんな立場にも色んな人がいる。
    民族的マイノリティっぽい名前の人もいるし、感じのいい人も悪い人も、察しのいい人も悪い人も、見て見ぬふりをする人も困惑する人もいる。

    言葉を手に入れてこのままハッピーエンドかと思いきや、そうは問屋がおろさない。
    その、ご都合主義じゃない厳しさと、希望をのこす優しさが好きだ。
    完全な理解なんて親しい人のあいだでさえありえないけれど、完璧じゃない世界と折り合っていく。

    言葉を伝える手段があるのとないのとではまったく違う。
    だけど、言葉を手に入れれば気持ちの全てを伝えられるわけじゃない。
    自分で抑えてしまったり、タイミングが合わなかったり、うまく言葉にできなかったりする。
    そういうもどかしさはみんな一緒。
    メロディは賢いから手段さえあれば言葉をつかえたけれど、自分の内側でさえ言葉にならない子は、きっとさらにしんどい。

    最後のママの反応がないのが気になる。
    そこまで書いてくれないと安心できない。
    キャサリンとヴァイオレットの反応からしてママはメロディの意図に気づいてると思うけど、気づいても気づかなくてもママにはすごく辛い。

    メロディの能力は、「こんなだけど」「特別な才能があるから」生きることを許される話になってしまいそうで危うい。
    そこをカバーしてくれる障害児学級の子どもたちの存在でちょっと安心する。

    何度か出てくる「レイバー・デイ・テレソン」は筋ジストロフィーを支援する長時間チャリティ番組。
    この名前はまさに昨日『生命倫理学と障害学の対話』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4865000313で見た。
    障害を不幸で恐ろしいものとして映し出すことで募金を集めるのは障害者に悪いレッテルをはるものだと障害者サイドから抗議されている番組だそうだ。
    24時間テレビみたいなもんだろうか。
    訳注にそこまで書いてほしかった。そうすれば、メロディの「テレソンすら好きだった」という言葉が理解できる。
    『セルロイド・クローゼット』で、自分と似た人間が一切でてこない昔の映画の中では「シシー(侮蔑的なオカマ像)」ですらセクマイがでてくるのが嬉しかったとコメントする人がいたのを思い出す。


    解説は蛇足。

  • 脳性まひの少女メロディ。体を思い通りに動かすことができない、言葉をちゃんと話せない、食事もトイレも自分ではできない、という症状の11歳の女の子の、心の中、考えていることが、描かれている小説。
    実は、ずっとノンフィクションだと思って読み進めてしまって、途中でフィクションだと気づいた時、無駄にショックをうけてしまった。小説だと思って読んでいたら、またちょっと読み取り方は違っていたかも。
    とはいえ、車いすのお子様がいたり、取材もかなりされたようで、そのためか、リアルに感じた。メロディが、決してただの良い子ではなくて、自己主張も諦めも投げなりな部分も、たくさん持っていて、そういうマイナスな所を、ごまかさずに表現しているのが、そのリアルさにつながっているのかも、と思った。
    特に良かったのは、自分を置いて行ったクラスメイトに、ちゃんとケリをつけたラストの展開。颯爽と教室を出て、自分から皆に決別する様は、多少の寂しさを伴ったが、胸がスカッとした。
    ただ、フィクションなら、もう少し、ハッピーな終わりでも良かったかもなぁ。ま、これは個人的な趣味の問題。

  •  飛行機に乗れなくて、クイズ大会に出れなかったのが、とても悔しかったです。

  • うむむ。
    結末の後味はよくないけれど、でも先が明るい感じ
    でした。

  • ③内容
    ・対象: 高、YA
    ・特色&ジャンル 脳性まひの11歳の少女
    ・時代 原題
    ・舞台 アメリカ 中部? スポールディング小学校
    ・主人公 メロディ・ブルックス11歳

    ④キーワード
    ・オススメ 脳性まひ 障害者用コンピューター「メディ・トーカー」

    ⑤コメント
    ・著者情報
    Sharon M. Draper
    http://sharondraper.com/

    ・出版情報
    http://www.suzuki-syuppan.co.jp/script/detail.php?id=1050023303

    ・翻訳の場合は原題
    原題『Out of My Mind』

    P47「子どもは、みんな特別よ」ヴィオレットは威厳をもって答える。「この子はかくれたすばらしい能力をもってるわ。それを見つける手助けをしたいの」


    先日読んだ『こんな夜更けにバナナかよ』がかなり衝撃的なノンフィクションだったので、こちらは児童文学としての別のものとして受け止めた。
    主人公が少女であり、学校内という限られた場所であるということ。しかしその中だからこその残酷さが描かれていたと思う。

    『飛び跳ねる~』を読んだときにも思ったけれど、自分の気持ちと行動がうまくコントロールできないことは、本当に辛いと思う。

    また一方で、彼らを取り巻く人々が面倒臭がらないこと、諦めないことが大切。
    その意味で、ヴァイオレットとキャサリンの二人の存在はとても心強く感じられる。

    コンピューターによって、かなり可能になったこと、しかしすぐに対応できないことがあることがわかった。
    そこも相互の歩み寄りの姿勢が大切なのだと思う。結局、アナログ的な部分がきちんとしていないと、コンピューターも活かせないのかもしれない。

    イースター・シールズ・テレソン
    Easter Seals Telethon
    http://www.easterseals.org/telethon/

    曲『恋するエルヴィアイラ』

    絵本『かいじゅうたちのいるところ』
    『おやすみなさいおつきさま』
    『キャットインザハット』

    本『時をさまようタック』
    『さびしい犬』
    『ギヴァー』
    Bクリアリー
    ボックスカーチルドレン

    本)『生命倫理学と障害学の対話--障害者を排除しない生命倫理へ』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4865000313

  • 脳性麻痺のため言葉を発することすらできない少女 メロディ の心のなかを描いた物語。
    作者はアメリカ・オハイオ州在住のシャロン・M・奴隷パー。
    他人からみれば、何も考えていないかに見えるメロディだが、両親や周りの理解者たちにより、自分を表現する手段としてVOCA(携帯用会話補助装置 小説内では「メディ・トーカー」という架空の機器名)を手に入れ他時の喜びにこちらも思わずわくわく!その後、健常者たちとも交流を広げていくも心の壁(クラスメートや教師)はなかなかぬぐいされない。
    きれいごとでもなく、現実の物語。だが、メロディの生き方に励まされる。
    障害を抱えた人々を取り巻く環境・人々の意識が貧困なことが、我が国のみではなく、わかる作品。
    とりあえず分類上 絵本・児童書のカテゴリとして登録したが、多くの健常者だと思っている大人たちにこそ読まれるべき作品。

全16件中 1 - 10件を表示
ツイートする