茶畑のジャヤ: この地球を生きる子どもたち (鈴木出版の児童文学 この地球を生きる子どもたち)

著者 :
  • 鈴木出版
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本棚登録 : 183
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790233107

作品紹介・あらすじ

成績優秀なのが災いして、クラスで仲間外れにされ、孤立していた周は、おじいちゃんに誘われて冬休み前にスリランカに行くことにした。
スリランカの茶畑で茶摘みの手伝いをしている少女、ジャヤとの出会いによって、民族の対立で内戦状態にあったスリランカの歴史を知り、相対する民族の両方の血を引くジャヤの民族の誇りと希望を知ることにより、自分自身の生き方を見つめ直した周は、「じっとうずくまっていても、自由は訪れない」という強い気持ちを持って7日間のスリランカの旅を終えて、帰ってくる。

感想・レビュー・書評

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  • 自分の力でどうにでもできる世界は自由に満ちている。ただし、おなじところにとどまっていたら、ふたたび巨大な波にねじふせられてしまう。瞬時におとずれた自由をむだにしないためには、ちがう場所に移動しなくてはならないのだ。じっとうずくまっていても、自由はおとずれない。
    ー本文より引用

    成績優秀が仇となって、田舎の小学校で仲間外れにされてしまった周。そんな周を心配する加奈のことさえ振り切って心を閉ざして弱ってしまった周を、おじいちゃんがスリランカへと連れ出してしまう。
    そこで出会った様々な人、場所、文化の違い、スリランカの内戦の悲しい歴史。特に茶畑で病気の母親の代わりに働いていたジャヤという少女は、周の成長を促してくれる友達となった。
    想像するということの大切さ、多面的に物を見ることの大切さ、自由とは。
    大切なことがたくさんつまった一冊です。
    読み終えた頃には、周と一緒に、ひとまわり大きくなれた気がすることでしょう。
    ぜひ小中学生にも大人にも読んでほしい物語。

  • 学校で仲間外れにされ、居場所のなくなった少年が、祖父の仕事場であるスリランカを訪ね、その文化や歴史、人々を知る中で成長していく話。

    ストーリーが都合よく展開しすぎて、人物の感情の変化について行けないところも数か所見受けられるが、悪くない作品。
    短くて読みやすいので、本が苦手な子にも薦められる。

  • スリランカというと紅茶の名産地だよなあ、と思っていただけに、茶葉の時代的な背景やその後の民族同士の紛争を知って、色々と考えさせられた。
    言語も異なるし、学校もちがう、互いを嫌い合っている。そんな状況下で、このお話では民族間の違いを越えた存在が出てくるので、そこに希望が見えてホッとする。

    周の掴みとった答えが、良いかどうかはさておき、良い旅が周を大きくさせてくれていると感じる終わり方で、読後感が良かった。

    周のおじいちゃん、素敵だなあ。

  • スリランカ・・・お恥ずかしいことに、茶葉のイメージしかありませんでした・・・

  • 主人公がいじめがきっかけでズル休みして、おじいちゃんの外国の職場での内戦のことなどを聞いて、いじめっ子もこういう考えを持てばいじめないだろうという主人公の考えに同感した。

  • たくさん想像できる人は、人を殺さない。悲しみが想像できるから
    スリランカの内戦のことを語る時の言葉が心に響いた。

  • 小学生の時の課題図書、これだけ覚えてる
    たしか波に逆らわずに身を任せる場面があったけど印象的だった

  • 小学校でのいじめから逃げるように、周はおじいさんの働くスリランカへ旅立つ。日本とは余りに違う環境に戸惑いながら、彼はたくましく変わる。どんな大波も乗り越えられるーーそんな勇気を胸に日本へ帰る物語だ。

  • 5年教科書掲載本

    勉強ができるという理由でクラスで仲間外れにされた主人公シュウ。

    おじいちゃんに誘われて行ったスリランカでタミル人とシンハラ人との間に起こった内戦、そして今も続く差別を目の当たりにして変わっていく。

    内戦のこと、2つの人種の隔たりなど、全然知らなかったことがよくわかった。内戦の語り部、セナの言葉も広めたい。

    ただ、ジャヤの話し方が読みにくかった。
    たどたどしさを表現したかったのだろうが、どうして外国人はこういう風に話すと決めつけられるのだろう、と残念。

  • ジャヤが頑張っているのを読んでいて少しウルッときました
    いじめられている主人公がとてもかわいそうだけど実際いろんなところでいじめがおきているのでいじめっこがこの本を読んで少しでもいじめが減ったらいいと思います❣️

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著者プロフィール

山梨県生まれ。日本児童文学者協会理事。『水底の棺』で日本児童文学者協会賞受賞、『天游』、『龍の腹』(くもん出版)。『水底の棺』『有松の庄九郎』(新日本出版社)、『茶畑のジャヤ』(鈴木出版)で全国課題図書作品に選定。19年11月に初のノンフィクション『よみがえった奇跡の紅型』(あすなろ出版)刊行。

「2021年 『バトン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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