タイガー・ボーイ (鈴木出版の児童文学―この地球を生きる子どもたち)

制作 : ジェイミー ホーガン  Mitali Perkins  Jamie Hogan  永瀬 比奈 
  • 鈴木出版
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本棚登録 : 31
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790233275

作品紹介・あらすじ

「トラの子どもが保護区から逃げた!」その知らせに、近くに暮らすニールや友だち、大人たちは騒然とした。母トラが子どもを探しに追いかけて来たら大惨事になる。その前に見つけ出して保護区に戻してやりたいニールと、トラの子をバラバラにして高値で売りたい悪人たちは、競うようにして探索を始めるのだった。学校で一番成績がよいニールは、奨学金を勝ち取ってインドの都会の中学校に進学することを校長先生から勧められている。しかし、家族から離れて遠い学校になど行きたくない気持ちと、トラの子探しで、ニールは勉強に真剣に取り組めないでいた。

感想・レビュー・書評

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  • インド半島の東側の付け根から、バングラデシュ南部の中ほどにかけて、世界遺産に登録された「シュンドルボン国際公園」。ここを舞台に小学5年生のニールの成長を描いた物語。

    ニールは言語は得意だけど算数は苦手。でも、その学力から、校長先生をはじめ、周りの人から期待されています。
    奨学金を勝ち取り、中学へ進学するため、貧しい中、家庭教師を雇いますが、ニール本人がやる気がない様子。
    家族とこの土地で暮らしたいという強い思いからでした。

    そんなある日、保護区からトラの赤ちゃんがニールの住む地区へ逃げたとのニュースが。最近、島で悪い商売をしているグプタはトラを捕まえて売り出そうと目論んでおり、ニールはグプタより早くトラの子を見つけようと考えます。

    しかし、グプタの懸賞金に魅力を感じて手伝う大人の中に大好きなお父さんも加わってしまいます。ニールの家庭教師代とお母さんの薬代を稼ぐため仕方ない選択でした。

    ニールは姉さんと協力して、苦手だった数学を使い、トラの子を見つける作戦を練ります。

    短い物語の中に、少年の心深い部分の成長が盛り込まれていて、読み終えた後、満足感があった。

    後半、ニールが言った「人生にはお金より大切なものがある」という言葉が印象的。ニールは体験を通して心からそう感じて変わることが出来たのだと思う。

    物語の背景にはシュンドルボンの生活の苦難もさりげなく描かれており、遠い世界を考えるきっかけになった。

    リキシャガールも読んでみたい

  • 虎の子探しと、そして自分探し。とてもよい児童文学。

  • インドの地方を舞台にした少年の成長物語。
    少年を支える家族と、見守る先生たち、あたたかい登場人物に囲まれるところが、やはり児童書の安心して読めるところ。

    労働者の父親、文字の読めない姉、学校に通わず働く友人。
    そして女性は学ぶ機会も少なく、食事すら男性のあと。
    インドの社会や文化がちらほらと描かれてるけれど、日本の子どもたちは、これをどこまで理解できるのか。近年は、マララさんの活動もあり、そういう事情を分かる子もいるかとは思うけれど。

    個人的には、林先生の「勉強は贅沢」という言葉を思い出しました。

  • ニールは勉強は苦手だけど算数が苦手な小学5年生。奨学生の候補に選ばれるが、本人はやる気なし。そんなある日、保護区から赤ちゃんのトラが逃げ出すというニュースが。悪いやつらが捕まえる前にトラを見つけ、保護区に連れて行こうと考えたニールは……。

    すごくよい作品でした。ニールは奨学生の候補に選ばれるくらい賢いのに欲がなく、努力をしない。そんな子、身近にもよくいますよね。けれども、ニールはトラ探しをきっかけに勉強をやる気になり、頑張るようになりました。やはり、何事も目標が目的があると頑張れるのだなと思いました。

    ニールの周りの人も、みんないい人で、苦しい生活のためにお金に目がくらんで本来の自分を見失っていたお父さん、厳しいと思っていたけれども、実はニールのことを考えてくれていた校長先生、優しく見守るお母さん、弟を励ます優しく賢いお姉さん、みんなステキでした。

  • インドの小さな島を舞台にした物語。
    予定調和といえばそうなんだけど、きれいにまとまっているし、トラの子がかわいいし、なかなかよかった。はじめ、主人公が、自分に能力があって奨学金の候補生として選ばれたのに、家を離れたくないためにぐだぐだと嘆くのがちょっとうっとうしかったところもあるけれど、生活の局面をつうじて学ぶことの本当の意味を感じ取るという展開はいいな。ていうか、子どもがみんなこういうふうだったらね(^_^;;

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著者プロフィール

Mitali Perkins ミタリ・パーキンス / アメリカ合衆国の児童文学作家。インド、コルカタに生まれ、アメリカ合衆国に、両親、姉妹と共に移住。幼いころから、バングラデシュ、カメルーン、ガーナ、インド、メキシコ、タイ、イギリス、オーストリアなど世界のあちこちに住んだ経験から、異文化への架け橋となる児童書の執筆をつづけている。邦訳されている作品に、『リキシャ★ガール』、『モンスーンの贈りもの』(共に鈴木出版)がある。
ホームページ(英語):http://www.mitaliperkins.com

「2017年 『タイガー・ボーイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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