葛原妙子全歌集

  • 砂子屋書房 (1970年1月1日発売)
3.50
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 18
感想 : 2
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (701ページ) / ISBN・EAN: 9784790406761

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  第1歌集「橙黄(とうおう)」は、1950年、長谷川書房・刊。495首、著者あとがき「終りに」を収める。
     約1年の疎開生活、戦後5年の東京生活(医師の妻として。家は焼失を免れた)より詠まれる。
     葛原妙子(くずはら・たえこ、1907年~1985年)は、戦前から太田水穂「潮音」に拠りながら、43歳での第1歌集だった。
     まだ難解な詠みぶりではなく、疎開の窮迫生活、敗戦後の急変ぶりを描いている。
     1949年の「女人短歌会」創立に参加するなど、新しい女歌を目指したようだ。

     第2歌集「縄文」を読み了える。 「縄文」には、句割れ・句跨り、字余り・字足らずの歌があり、叙述の歌があり、虚実の曖昧な歌がある。今の僕たちは、さして違和感がないが、アララギ流の「写生」「調べ」を信奉する歌壇に抗うには、相当の気力が必要だっただろう。戦後前衛短歌の出発へ、彼女の歌も向かう。

    第3歌集「飛行」を読み了える。 日本歌人クラブ会員、女人短歌会会員となり、五島美代子、森岡貞香、中井英夫らと交流した彼女は、先鋭的な歌風に向かう。生活は苦しくないながら、女性の苦しみがあったのだろう。
     しかし無駄な字余りの歌があり、自選したにしては美点のとくにない歌がある。1年で歌集を出すのは、早過ぎたのだろうか。
     歌集題は「飛行」と名付けられながら、飛び立って上昇して行く、試行期間のように思える。

     第4歌集「薔薇窓」を読み了えました。
     以下のアドレスより、ブログ記事をお読みください。
    http://sasuke0369.blogstation.jp/archives/34336697.html

    第6歌集「葡萄木立」を読み了えました。
    http://sasuke0369.blogstation.jp/archives/35066475.html

    第7歌集「朱霊」を読み了えました。
    http://sasuke0369.blogstation.jp/archives/35434679.html

    第8歌集「鷹の井戸」を読み了えました。
    http://sasuke0369.blogstation.jp/archives/35896204.html

    しまいの歌集「をがたま」を読み了えました。
    http://sasuke0369.blogstation.jp/archives/36096249.html

全1件中 1 - 1件を表示

葛原妙子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×