さくら: 歌集 (コスモス叢書 第 925篇)

著者 :
  • 砂子屋書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790412397

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  • 著者が54歳の時の第十歌集。父が認知症となり、悲しみつつ介護する歌が心に刺さる。「老年の日数かぞふるひそけさに一円たまる父の空き壜」「金箔のきんもくせいが咲きました。父が壊れてゆく秋の日に」「ながらへて病むほかはなきかなしびのあきあかね飛ぶちちははが飛ぶ」「なけなしの命を使ひ立たんとし歩かんとする父よ さざんくわ」「認知症の父は真冬のチューリップ 片手を上げてぱかつと笑ふ」「『お世話駆けました。施設へ行きます。』と父言へり冬のある晴れた日に」「清潔な介護ホームのガラス窓 置き去りにした父が手をふる」「車椅子押すとき父の顔見えず見えぬまま行くさくらの道を」「おもふさま惚けたまへよ花さけど花ちれど父のさくらはわたし」「このうへもなく愛されし罰として見届けん父の惚けきるまで」

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著者プロフィール

1956年、愛知県名古屋市生まれ。1978年、大学在学中に「コスモス」入会。現在、「コスモス」短歌会選者・編集委員。「NHK短歌」選者。産経新聞、中日新聞、熊本日日新聞、南日本新聞歌壇選者。毎日新聞書評委員。青山学院女子短期大学講師など。歌集に『水陽炎』『月光公園』『ヘブライ暦』(第7回河野愛子賞受賞)『希望』(第5回若山牧水賞受賞)『獅子座流星群』『エトピリカ』『憂春』(第40回迢空賞受賞)『純白光 短歌日記2012』(第6回小野市詩歌文学賞、第7回日本一行詩大賞受賞)『泥と青葉』ほか。

「2015年 『和歌で楽しむ源氏物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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