アイデンティティの音楽―メディア・若者・ポピュラー文化

著者 :
  • 世界思想社
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本棚登録 : 32
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790708537

作品紹介・あらすじ

戦後の欧米や日本の社会で、文化的な変容にもっとも影響のあったのはテレビだろう。けれども、テレビとともに大きな柱となりながら、研究対象としてあまり注目されなかったものにポピュラー音楽、とりわけロック音楽がある。ならば、ロックの第一世代のミュージシャンたちと同じ時代を生きてきた者の一人、社会学という方法論によって現在や過去、そして未来を見つめる仕事についた者、そして何よりロックによって自らのアイデンティティを自覚させられた者として、ロック音楽の意味を考える。ロックを通して20世紀後半の時代精神や社会的な背景を問い直す。

感想・レビュー・書評

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  • まず、欧米の音楽社会学に関する本を、日本人が日本語で書いたということ自体に感心してしまった。

    前半は、おもに欧米のポピュラー音楽史を、「若者のアイデンティティー」という視点で概観。後半は「ポピュラー」をキーワードとした音楽社会論。

    ポピュラー音楽を愛好することが、若者にとってアイデンティティーを自覚し、あるいは探求し、あるいは表明する営為であるという著者の立場には納得がいく。

    ロック音楽の細分化や新ジャンルが登場する背景には、若者のアイデンティティーの希求がある(ただし、これが必ずしも日本にはそのまま当てはまらないということに注意すべき)。

    「ロックと社会の関係」みたいな論文を書こうとして収拾がつかなくなっている大学生が読んでスッキリして、そしてテーマのハードルの高さに気付いてますます書けなくなりそうな本。(※実体験)

  • 卒論の方向性とはずれるけれど、音楽と社会状況をまぜており、読みやすい。

    参考文献がやばい。

    この本のおかけで、私が読むべき本がわかりました。

  • 参考になった
    まーなんでロックばっかなんだよって感じはするけど。

  • 前半がアイデンティティについて
    後半が音楽社会理論について
    だったと思う。

  • 9月19日読了。社会的な事象としてロックをとらえ、考察した本。「ロックを愛好すること」がアウトローから、エリート意識を持って語られるようになる過程、マイノリティー文化より発生したレゲエがシーンに与えた影響に関するあたりは面白い。「ロック的な生き方」と言うように、ロックが当初のノリのいい黒人音楽から社会性を伴う存在になったことにはさまざまな要因があったことだが、不思議なことだ。この世の中に純粋なもの・社会性を帯びていないものなどないのかもしれないな。

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著者プロフィール

1949年、山梨県生まれ。東京経済大学コミュニケーション学部教授。専攻は現代文化論、コミュニケーション論。著書に『ライフスタイルとアイデンティティ』『アイデンティティの音楽』、監修に『コミュニケーション・スタディーズ』(いずれも世界思想社)など。担当:「はじめに」「文章表現の基礎」「消費」「食」。

「2013年 『「文化系」学生のレポート・卒論術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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