「見ること」の哲学―鏡像と奥行

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  • 世界思想社
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790709145

作品紹介・あらすじ

鏡像はなぜ左右の向きで逆転するのか。網膜は湾曲した平面であるにもかかわらず、奥行きのある立体的な世界を見ることができるのはなぜか。視空間に開いた、パラドックスの裂け目から、「見ること」の本質を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 光景と幻想、視覚における客観性(対象性)と主観性とは、それぞれ〈外部〉と〈内部〉にあるのではなく、見いだされた世界に共存在しているということ――鏡像の逆転現象の分析から出発して、そうしたことを論じられるところにまで進んでいくことができないか、と考えているところである。(船木亨)

  • 表紙のヤン・ヴァン・アイクだけでもう胸はどきどき期待満点な一冊。僕が興味を持って読んだのは鏡像反転や鏡像認知の問題に関わるところ。読み進めるにしたがって「なにかすごいことになっちゃう」あたり船木亨さんの著書っぽいのですが、ひとまず参照文献や後註がずららっとあって壮観です。この手の問題に興味のある人にはカント<A href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000923439/yumemine-22" target="_blank">「空間における方位の区別の第一根拠について」</A>という論文とそれに対するウィトゲンシュタインの回答がある<A href="http://booklog.jp/kourick/asin/4469110116" target="_blank">「論理哲学論考」</A>や、マーティン・ガードナー<A href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4314005769/yumemine-22" target="_blank">『自然界における左と右』</A>、リチャード・グレゴリー<A href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788507544/yumemine-22" target="_blank">『鏡という謎』</A>、ルネ・ザゾ<A href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4623030628/yumemine-22" target="_blank">『鏡の心理学』</A>がおすすめ。日本の人だと大森荘蔵<A href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4130100335/yumemine-22" target="_blank">『新視覚新論』</A>、高野陽太郎<A href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000065556/yumemine-22" target="_blank">『鏡の中のミステリー』</A>、加地大介<A href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4886791506/yumemine-22" target="_blank">『なぜ私たちは過去へいけないのか』</A>がいいと思う。特に最後の一冊は読みやすい文体で楽しいのでグッド。また、船木亨さんではベンタムを扱った<A href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833222574/yumemine-22" target="_blank">『ランド・オブ・フィクション』</A>もかなりいいです。カヴァもきれいで内容も新鮮で感銘を受けるのだった。

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著者プロフィール

船木 亨(ふなき とおる)
1952年東京都生まれ。東京大博士(文学)。東京大学大学院人文科学研究科(倫理学専攻)博士課程修了。専修大学文学部哲学科教授、放送大学客員教授。専攻はフランス現代哲学、18世紀哲学。著書は、『現代思想史入門』ちくま新書(2016年)、『差異とは何か――〈分かること〉の哲学』世界思想社(2014年)、『現代哲学への挑戦』放送大学教育振興会(2011年)、『進化論の5つの謎――いかにして人間になるか』ちくまプリマー新書(2008年)、『デジタルメディア時代の《方法序説》――機械と人間のかかわりについて』ナカニシヤ出版(2005年)、『〈見ること〉の哲学――鏡像と奥行』世界思想社(2001年)、『メルロ=ポンティ入門』ちくま新書(2000年)、『ランド・オブ・フィクション――ベンタムにおける功利性と合理性』木鐸社(1998年)、『ドゥルーズ』〈人と思想シリーズ〉清水書院(1994年)。その他、論文多数。

「2017年 『いかにして思考するべきか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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