自閉症の社会学―もう一つのコミュニケーション論 (SEKAISHISO SEMINAR)

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  • 世界思想社
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790713586

作品紹介・あらすじ

自閉症の子どもを持つ理論社会学者が、わが子と接するなかで織り上げた柔らかな理解の仕方とは。自閉症を「特別」扱いしない視点を提案し、同時に「普通」の社会を見つめなおす双方向の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 回送先:杉並区立高円寺図書館(M04)

    自閉症スペクトラムの子息をもつ理論社会学者による自閉症(おそらく軽度の知的遅延があると考えられる)特有の行動と社会学の諸理論を融和させてみた実験的な一冊。

    一読し、結構面白いと思ったのは偽りならぬ感想である。多くの入門書がいうなれば「言葉のあや」でわかりやすくしてみた程度のものだとするならば、本書はこの「言葉のあや」を禁じてとして封印する。スペクトラム当事者にとっては「言葉のあや」を推し量るのは非常に困難であり、むしろ実例を頻繁に出しながら、理論社会学と結合させるプロセスのほうが理解しやすいからなのだが、それはべつのところで「定型発達者」にとってもいい意味で返ってくるのである。

    しかし、アンソニー・ギデンズと療育プログラム「TEACCHシステム」が「社会的構造論」というくくりで連結するという発想には脱帽(というか目が点になった)。

    もちろん、次のステップは言うまでもないだろう。自閉症スペクトラム当事者が社会学者となって大成し、社会学理論に反映させていくステップである。その下地を竹中が慣らしてくれたのだ。
    つまるところ、「恩を仇で返してしまった」と当事者を失意のどん底に叩き込まないような研究指導のあり方もまた模索すべき課題のような気もするが、どうなのだろうか。

  • 自閉症のしりあいさんがいて、偏見のない人なら社会学へのよい入門書。
    社会学を知っている人なら、自閉症さんに対する新たな知見を得ることのできる書。
    両方知っている人には、おいしい。

    そういう入門書です。

  • これは、おもしろかった。
    社会学ってよくわからないけど、視点、アプローチ、切り込み方、論の内容とかが、専門家や当事者が書いた類書と違ってて、とても新鮮だった。

    ASの友達から「よかったよー」と貸してもらわなかったら、出合えなかった。読めてよかった。友達に感謝。

  • 本文の考察もさることながら、引用されている文献がいい。次に読んでみたい本がどんどん見つかる。実際にそうやって次の本を読んでみると、本書で紹介されているイメージにぴったりの本であることが多く、文献の引用の仕方がいいとも言える。

    自閉というのは今日珍しいくらい学際的分野で、精神医学・教育・社会学・神経学・本人や家族の手記や論考と多彩な分野で議論されている。そんな中、ここからスタートして色々派生していける本。

  • 自閉症と社会学の双方の観点で書かれたこの本は、自閉症についても社会学についてもほとんど知識のなかった私にわかりやすい解説をくれました。すらすらと読め、時間とともに増えていった疑問が解けました!

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