テレビ・コマーシャルの考古学―昭和30年代のメディアと文化―

制作 : 高野 光平  難波 功士 
  • 世界思想社
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790714835

作品紹介・あらすじ

記憶ではなく映像資料から、戦後社会のリアリティに迫る。これまで眠っていた9000本余の初期CMを掘り起こし、CM論に新たな展開をもたらすと同時に、戦後日本文化の歴史と現在を見直す。ステレオタイプに基づく昭和イメージに一石を投じる1冊。

感想・レビュー・書評

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  • ビデオテープが貴重品だった時代のテレビ番組は残存するものが繰り返し使われ(「テレビ探偵団」のように)、昭和30年代のブラウン管の中の正史のようなものになっていますが(たぶん、それが本書でも繰り返し言及される「三丁目の夕日」的ノスタルジーを形成するもの)、それはCMでも同じことで、ACCの受賞作や超名作だけが時代の記憶として残されがちです。それが関西の、しかもアニメを技術の中心としたプロダクションの、たまたま残っているフィルムを素材にテレビ・コマーシャルの考古学を模索する本書は、極めてマニアックなものになるのかと思いきや、意外にCM制作という仕事がソフィスティケートされる前のカオスみたいな歴史に肉薄していて、そもそもテレビ・コマーシャルの本質みたいなものを感じさせるので、びっくり!長めの動画とか、工場見学をテーマにしたインフォマーシャルとか、番組内容とシームレスになったタイムCMとか、なぜか、このごろ広告業界で葛藤しているクリエイティブに極めて近いかも…これからますますデジタル化し、効率化を求められる広告は、一方、本書で取り上げられているような猥雑な試行錯誤も失ってはいけない、と思うのでありました。

  • 昭和30年代のテレビコマーシャルの社会学的研究の論文集です。これより前に出た「文化としてのテレビコマーシャル」に比べて研究自体が「こなれている」印象を持つことからこの分野は研究も含めて(期待をこめた意味で)発展途上だなという期待感を持つことのできる本です。ただ中にはありきたりなテキスト分析に終始しているものもあり、研究として読む価値があるなと思ったものがほぼすべて社会学者でない人の手によるものだったのは皮肉です。
    映画や番組と違って純粋な作品分析も史料分析もできないテレビコマーシャルという対象にどのように社会学者が挑もうとしているか、を同時期に経験しておきたい人にはおすすめです。

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