グローバリゼーションと都市変容 (世界思想ゼミナール)

著者 :
制作 : 遠藤 薫 
  • 世界思想社
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本棚登録 : 16
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790715467

作品紹介・あらすじ

都市は、絶え間なく自己変容する社会構造/世界観の写像である。観光、メディア、消費空間、サブカルチャー、コミュニティなどを通して、ローカルな場としての都市とグローバル世界の動的なミクロ‐マクロ連結を透視する。

感想・レビュー・書評

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  •   職場の図書館の新刊の棚から借りてきた。

     社会学の先生が好きなテーマで短い論文を掲げている。

     中国のパンクロックから、横田基地のある福生、さらには、タワーマンションの武蔵小杉から、商店街まで、自由にテーマを選んで、これまたいろんな角度から分析している。

     社会学って、なんか分析の視点の統一性がないような気がする。都市計画とかであれば、都市の生活と活動をどうよくしていくか、そのためのハードとソフトをどう立案していくか、とか、都市経済学でいえば、ミクロ経済学手法で都市活動を分析するとか、なんとなくわかる。

     その点、都市社会学は、なんでもおもしろそうな分野を切り出して、統計手法をつかったり、アンケートをつかったり、はてまた歩き回ったり、自由に分析している。もう少し、自分がポイントをつかめると、なんか都市社会学の成果が頭に入るような気がする。

     この本もよみものとしてはおもしろい。

    (1)今の中国のパンクロックは、民主化運動とは一線を画している。(p117)

    (2)歩行者天国は商店街が商売のために取り組んだが、だんだん秩序を乱すものがでてきて下火になった。(p181)

     むかし竹の子族とかありましたな。

    (3)武蔵小杉のエリマエ組織のNPO小杉エリアマネジメントに、あまりタワーマンションの住民は参加に意味を認めていない。(p197)

    (4)1930年ごろの新聞のタイトル、商店街は横の百貨店。(p267)

     中心市街地活性化法を通産省と協議していたときに、横の百貨店といって、うまいこというなと思っていたが、昭和の初めから言っていたんだな。そもそも商店街自体がそういう発想で生まれていたのをしったので自分の不勉強を知る。

     こういう雑学は一杯この本から仕入れたが、どう政策に結びつけたらいいかよくわからない。

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著者プロフィール

学習院大学名誉教授

「2023年 『災禍の時代の社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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