女性ホームレスとして生きる―貧困と排除の社会学

著者 :
  • 世界思想社
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本棚登録 : 81
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784790715931

作品紹介・あらすじ

路上にとどまる彼女たちの「意志」とは何か?女性ホームレスの知られざる生活世界に分け入り、個々の生活史や福祉制度の歴史から、女性が社会的に排除される過程を浮き彫りにする。彼女たちの声に耳を傾け、自立を迫る制度の前提にある主体とは何か、意志とは何かを問い直す。

感想・レビュー・書評

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  • ジェンダーと貧困の間で、懸命に生きる女性ホームレスの姿を浮き彫りにした一冊。

    従来の主張や論理を紐解き、男性ホームレスの研究が多数であり、研究者も男性の視点が多かった点を指摘する。

    女性のホームレスは諸外国での割合が高く、海外の文献や研究も参考にしつつ、筆者は主張を肉付けしている。

    ケアの倫理/自己責任/社会福祉 など本著から考えさせられる内容は多い。

    ・フィールドワークでの体験
    ・支援団体での活動
    ・厚労省のデータ等
    導き出された主張は著者の論理的な部分と情緒的な部分が見え、力強さと深さを感じた。

    淡く、ポップなイラストも素敵で、本文の内容とマッチしていると思う。

  • 構造的に見えにくい女性ホームレス問題を浮き彫りにしている。これは著者だからできる調査ではないか! 興味深く読ませてもらいました。

  • 5/25 県立図書館にて借用。。

  • 女性ホームレスについて調査して書かれた本。ある人の生態について書かれている本ではないので、軽い気持ちで読む本ではなかった。

  • こういう学術的なのではなく、ルポルタージュ、ドキュメントっぽいのを想像してしまった。
    内容は良かったと思います。
    ジェンダーの考察も含めたタイトルにすると分かりやすかったかな。

  • しっかり時間をかけて読む本

  • 1.丸山里美『女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学』世界思想社、読了。これまでのホームレス研究は男性が中心で、その立場から主体性や排除と抵抗の論理を読み解くものが多かった。野宿者全体のうち女性は3%というが、本書はその3%に初めて光を当てる。見えないものが見えてくる。

    2.丸山里美『女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学』世界思想社。ホームレス論の現在、筆者の取材と調査に基づく女性ホームレスの実体とその生活、現状と福祉行政と未来への展望で本書は構成されている。迷いやためらいの中で問題に向き合ってきた筆致に筆者の誠実さが伝わってくる。

    少し本書にはtwしたので、別の角度の蛇足を少々。

    ホームレス研究自体が男性中心主義の眼差しで記述されていたように、ホームレスとなる女性(そしておそらくそうでない人も含め)、どこまでも男性中心主義の眼差しがインプリンティングされていることには驚く。

    研究に対して女性の眼差しで捉え直すことは、近代家族を中心に設計された対応の見直しを迫るきっかけになるだろうし、学問のもつ「権力性」の認識から、再びそれを捉え直すことは必要不可欠な営みだ。しかし、「仮象」にしか過ぎない概念を大事にするフツーの人間をどのように説得していくのか--。


    例えば……喩えは悪いのだけど……、離婚してそれぞれの道を歩んだ方が双方にとっていいのに、しがみつこうとするような場合、「それは虚偽だから」の一言では済まされないだろう。著者十一年の研究の軌跡は、長い間時間をかけて寄り添う意義や説得する意味を考えるヒントを頂いたような気がする。

    ※まとまりのない構成ですが、以下がその他の言及部分

    丸山里美『女性ホームレスとして生きる』世界思想社を読み終えた所為もあるのだけど、女性ホームレスが圧倒的に少ないことには、「近代家族制度」の漆喰がガッチリ私たちにインプリンティングされているからだ。家族なんて百年近くの歴史しかない捏造された伝統なのに、準拠するあまり逸脱が許されない

    男が働き、女性が、国民国家の兵士を養育することを目的に捏造された最小単位が家族だ。戦前から変わらぬ仕組みだけど、稼ぎ手の男が働けなくなった時、そのDVから逃れたくなったとき、無償のシャドウワークに専業していた彼女たちを誰が保証するのだろうか。

    生活保護、年金等々、生活を守る仕組みは、それを「年金、百年の安心」などなんだのと取り繕うにせよ、すべて、専業男性+専業主婦女性をモデルに想定されている。しかし「家族」神話なるものがほころびをみせる現在、家族共同体を超えて、一人一人の人間に光を当てたものに変えないと話にならないわな

  • 「仲間、共感 つながり求め」評者:木下武徳 北星学園大准教授(本の森 北海道新聞)
    http://www5.hokkaido-np.co.jp/books/

    世界思想社のPR
    「女性ホームレスの知られざる生活世界に分け入り、個々の生活史や福祉制度の歴史から、女性が社会的に排除される過程を浮き彫りにする。路上にとどまる人びとの声に耳を傾け、自立を迫る制度の前提にある主体とは何か、意志とは何かを問い直す。」

  • 図書館の新刊コーナーにあったので,
    借りてみた。

    博士論文を加筆修正したものなので,
    少々表現が硬いが,意外と面白かった。

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プロフィール

丸山 里美(立命館大学産業社会学部准教授)

「2017年 『「子どもの貧困」を問いなおす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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