- Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
- / ISBN・EAN: 9784790716242
作品紹介・あらすじ
古代最高・最後の形而上学-西洋神秘主義思想の源流。3世紀から6世紀にかけて多彩な「プラトニストたち」によって展開された新プラトン主義。創始者プロティノスから現代のレヴィナスやデリダに至るまで西洋哲学の一大潮流となっているその思想の概要を、充実したコラム15編を織り込みつつ詳しく解説する。
感想・レビュー・書評
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プロティノスを読んだのは、プロティノスに興味があったからではなく、「西洋哲学史はプラトンの註釈である」というような感覚を得るためには、「一者からの流出」というばかりの説明でなんだかよくわからん新プラトン主義とやらはプラトンとどう関係してるんだ、と、知りたかったからだ。
で、プロティノスに触れて、あぁ、確かにこれはプラトンの註釈だ、こうしてプラトニズムはキリスト教と合流して中世の西洋に深く入っていったんだ、と、いうのがなんとなくわかった。
ら、その流れまでを見ておかないと(今見ておくのじゃないと絶対に二度と戻ってこない)と思い、手にとる。
という態度なので、最後はヘーゲル、ニーチェ、レヴィナスまで触れる本著のひとつひとつを読んでいく必要はないのかなー、どういう名前が出てきて、それらにどう関わったのか、なんとなくわかればいいかな、と読んだ。
そしたら、マルクス・アウレリウスの次に行くつもりだったアウグスティヌスが出てきて、ネオプラトニズムを経由したことの必然性があらわれる。
トマス・アクィナス、ブルーノといった、これから行こうと思ってるラインがあったので、今後の進め方にひとつ道ができた。
ストア派からはなかなかつながらないし、エピクロス派からもつながらない。やはり、ここはプラトンを辿ることでつながるのだな、と驚いた。
クザーヌスやブルーノといったルネサンスでの、ネオプラトニズムの受容と解体は、またもやあらたなプラトニズム、ネオネオプラトニズムになっていく。
無限は、あらゆる数字から等しく無限に隔たっているように、すべての流出されたものは等しく一者から隔たっている、そこにプロティノスの求めるヒエラルキーは必要ない、というのは面白い。無限の正しい理解というルネサンス的?な理解と思った。
プロティノスが悪とまでした質料をとらえなおした、プロティノスにとっての影をみつめたブルーノ、というのも、さすがブルーノ、僕の憧れにズレない。
また何かあったら戻ってこよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示