当事者対決! 心と体でケンカする

  • 世界思想社 (2023年11月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784790717836

作品紹介・あらすじ

生きづらさの往復インタビュー 
自閉スペクトラム症/ADHDの当事者と、潰瘍性大腸炎の当事者が、互いを取材して考えた、それぞれが抱える苦悩と、それぞれにしか見えない世界

【本文より――はじめに(頭木)】

横道さんは発達障害の当事者で、私は潰瘍性大腸炎という難病の当事者です。
つまり、心で困っている人と、体で困っている人です。

当事者研究の本を、横道さんも私もそれぞれに出していますが、ふたりで一緒に作ることには、また新しい意義があるのではないか(…)それぞれ心と体の仮の代表として、議論をたたかわせ、ケンカしてみるのも、おもしろいのではないかと思いました。

みんなの感想まとめ

心と体の生きづらさをテーマにしたこの一冊では、発達障害の当事者と潰瘍性大腸炎の当事者が互いにインタビューを行い、それぞれの苦悩や体験を深く掘り下げています。タイトルに「対決」や「ケンカ」とあるものの、...

感想・レビュー・書評

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  • 『当事者対決! 心と体でケンカする』「はじめに――このふたりの本を読むことにどんな意味があるのか?」(頭木弘樹) | せかいしそう(2023.11.09)
    https://web.sekaishisosha.jp/posts/7529

    第1回 心と体の困りごと | 頭木弘樹×横道誠『当事者対決! 心と体でケンカする』刊行記念スペース対談 | せかいしそう(2023.12.29)
    https://web.sekaishisosha.jp/posts/7718

    当事者対決! 心と体でケンカする - 世界思想社
    https://sekaishisosha.jp/book/b635187.html

  • 発達障害の当事者である横道さんと、潰瘍性大腸炎の当事者である頭木さん。
    それぞれの生きづらさについて2人が互いにインタビューをし合ったものをまとめた一冊。

    タイトルに「対決」「ケンカ」といった言葉が並ぶが、意見を戦わせるような内容ではない。
    むしろ対話をするなかで、自身の生きづらさを再確認し相手の生きづらさを知っていくような内容だった。
    それによってお互いの共通点や相違点が見つかっていき、個人の話から社会の話へと広がっていったように感じた。
    自分自身読んでいて、共感できるところや、想像しなかった生きづらさについて知れたことがあった。
    特に印象的だった話の1つは頭木さんの、ほんとうは対応できるのに、少数の意見で「特別な配慮」はできないと、「ふつうのやり方」を押し切られてしまうという話。
    そしてそれは、「ふつう」自体が動くとあっさり変わってしまう、と。
    コロナ禍により、生活様式が急速に大きく変わったことに関しての話だった。
    自分もコロナ禍により不便さが増えた部分は多かったが、コロナ禍以前より楽になった部分も確かにあったように思う。
    例えば、体調が悪いときには無理せず休むことが推奨されるようになったこと、様々な用事や手続きがオンラインで済ませられるようになったこと等だ。
    コロナ禍以前より望んでいた人もいたと思うけれど、結局のところ「ふつう」が変わらないとなかなか実現しなかったものもあるのだと思う。
    個人の生きづらさに関することのみならず、社会の構造についても考えさせられた一冊だった。
    ユーモアも交えていて読みやすく、横道さんと頭木さんそれぞれの他の著書も読んでみたいと感じた。

  • なかなか心と体はやはり切っても切れないものだし、それぞれの経験は深いから一冊にまとめるのは難しい気がした。
    横道さんの生い立ちも凄まじく、宗教二世の話もあり、心云々の前にそれに驚いてしまったし、性についての話は少し読んでて疲れた。

    頭木弘樹さんの本としては「食べることと出すこと」の方がおすすめ。

    横道さんの
    「大衆文学は難しい
    大衆文学は、定型発達者同士の情緒的な交流
    大衆文学は共感を求めてくるから非常に読みにくい
    純文学のほうがむしろ読みやすい
    純文学は一種の抽象性
    現代アート的、単純化
    それがある意味わかりやすい」

    という内容は、そういう見方もあるんだなと、印象に残った。

  • まず、タイトルと表紙の虎がすごくいい!
    おふたりはそれぞれ自分の心や体に困ってる“当事者”だけれど、困りごとの種類や状態、対処法も全然違う。そんな真逆のふたりがお互いにインタビューし合うことで理解を深めながら見えて来た世界とは?横道さんの発達障害の説明はわかりやすく(時には過剰なほど詳細だけど)編集者が大胆に再構成し大幅に短縮した、とのことで一冊丸ごと読み易いのに読み応えあり。

  • 難病(潰瘍性大腸炎)の当事者である頭木弘樹と、発達障害の当事者である横道誠が、互いをインタビューし合うというテイの対談集。

    NHKの番組に「SWITCHインタビュー 達人達」というのがあり、異分野の著名人2人が前半・後半で攻守交代して互いをインタビューするものなのだが、それに近い形式だ。

    著者2人の相性がとてもよいことが感じられ、面白く読める。
    生きづらさ、当事者性について、通り一遍ではない考察が多角的に展開され、深く考えさせられる。

    頭木弘樹は近著『口の立つやつが勝つってことでいいのか』が大変面白く、私は昨年のベスト10にも挙げたが、本書にもキラリと光る言葉が随所にある。

  • 往復書簡のような対談集。それぞれの悩みの質も内容もちがうが、生きていく上で、何にぶつかり、何によって沈んだり前に進んだりできるのかが、具体的で手に取るようにわかった。

    私は就職氷河期というレッテルから逃れられずに未だ職探しの渦中である。ちょうど2ヶ月前に入院手術と自宅療養を経験してから、本当にこれからも職探しを続けられるのだろうかと暗い気持ちになっていた。貧・病・争と共にこれからも生きられるのだろうか。できれば生きたい。

  • 2024.12.23市立図書館
    体の病気の当事者頭木弘樹と心の病気の当事者横道誠がそれぞれの心身や人生について互いにインタビューし合ってまとめた本。読み始めればわりと読みやすい。
    SNSか文芸誌で評判を聞いて読みたくなって、予約を入れて順番を少し待って借りた。が、年末年始から学期末で貸出延長を重ねてもなかなか読む時間が取れず⋯
    冒頭だけ読んで返却日がきていったん断念。お二人ともたがいの著書はみんな読んでる同士というので、横道さんの著作をいくつか読んだらまた借りたい。

  • どちらも自身の経験や持論をベースにインタビューに応えているが、各章で展開され垣間見えた意見の集積は頭木さんが冒頭で期待した通り、より普遍的な話になっていったように思う。答えはないが、考えるための視点をたくさんもらったかんじ。
    お互いにそれぞれの地獄があり、ままならない状態にありながら自分とも他者ともどう折り合いをつけていくか。
    社会に適合する「能力」や「生産性」がなくても生きていける社会を構成するにはどうしたらいいのか。

  • 横道さんの本は自分にとって未知の領域が多く、きづけば手にとって読んでいる。頭木さんについては本書で初めて知った。20代の頃から13年間闘病し、貴重な青年時代をわたしも同じように失ったとして、その経験を他人に語ろうと思えないかもしれない。

    p25
    頭木 自閉スペクトラム症やADHDと診断される人が増えてきて、重い人だけでなく、グレゾーンの人もたくさんいるとわかってきたと。
    そうすると、「病気」なのか、「障害」なのか、という区別よりも、そもそも「病気や障害」なのかということが問題になってきますね。
    横道 それに対する大きな問題提起として、90年代から自閉症の権利運動として、「これは『脳の多様性』なんだ、『ニューロダイバーシティ』なんだ」という見解が出てきたわけなんです。英語圏から始まって、世界中に広まっています。
    先行する同種の運動には、1995年に日本で出された聾文化宣言などがあります。耳が聞こえないということは、いまでも多くの人にとっては「障害」だと思われていると見受けますけれども、実際に耳が聞こえない人たちから、じぶんたちはそういう独自の文化を生きていんだという考え方が出されて、広く支持されるようになりました。
    つまり、自閉スペクトラム症をたんなる「欠損状態」と考えるのではなくて、独自の文化を生きている状態なんだと考えるわけです。『ニューロダイバーシティの教科書』(金子書房)という本を出した村中直人さんは定型発達者を Windows に、発達障害者をMacに喩えて、MacにできなくてWindows にできることがあっても、それは欠損や障害じゃないと説明しています。
    さかのぼれば、黒人の人権運動とか、女性のフェミニズムとか、そういうものにもつながっています。それまで認知されてきた白人文化とは違ったかたちで黒人文化があって、それ劣っているとか低俗だとか卑しいとか、そういうことではないと。
    頭木 病気や障害、優劣というとらえ方ではなく、それぞれの文化であって、そもそも多いものなんだということですね。
    横道 発達障害には発達障害の文化がある。日本ではとくにこれが最近注目されていて、2022年の5月には、経済産業省がニューロダイバーシティを尊重しながら経済を回していこうという宣言を出していました。

    p112
    頭木 実際、生理用品を使っている人はけっこういたみたいです。私も使ってみたんですが、女性への尊敬がすごく増しました。勝手な尊敬かもしれないですけど。つけてもわからないみたいなCMをよくやってるから、さぞつけ心地がいいんだろうと思ってつけたら、ものすごい違和感でね。
    男女では体のかたちが違うせいもあるのかもしれないけど、気になって気になって、つけてるのを忘れるどころじゃない。ズレて漏れたりしないかも、すごく気になるし。これを毎月つけるのは、ほんとうに大変だなと思って。こういう経験をしてるか、してないかだけでも、男と女はまるで人間のレベルが違うんじゃないかと思いましたね。
    じぶんの体のことを他人に隠して、漏れないようにとか、気をつかいながら生活しているっ
    てこと、健康な男にはまったくないじゃないですか。たとえば急にどこかに連れていかれても、男の場合、平気なわけで。でも女性だと、生理用品のないところに1カ月以上、連れていかれると困るわけですよね。事前の準備が必要です。そういう事情を抱えているか、抱えていないかって、やっぱり人への思いやりが違ってくるんじゃないですかね。

  • 頭木さんの文章は好きだし、横道さんも注目の書き手なので読んでみた。
    大変よかった。
    確かにインタビュアーとインタビュイーが固定だと、インタビュアーは(自分は安全地帯にいるのに相手のことに突っ込むのはどうかと思い)遠慮したり忖度したりしてしまう可能性がある。交代で役割を変えることによって、自分も突っ込まれる覚悟を持ってさえいれば、相手にも突っ込めるというわけ。

    特によかったのは、発達「障害」なのか?という日頃から抱いていた疑問に答えが出たこと。「発達障害」は行政用語で、障害ではなく「ニューロダイバーシティ」、つまり脳の多様性だという考えが90年代から出てきているらしい。かつては同性愛やトランスジェンダーも精神疾患として治療の対象となっていたが、社会の方が変わった。発達障害という概念も修正される可能性は大いにあるということ。
    また、自閉スペクトラム症には男性の方が多いというのも不思議の一つだったが、それは基準が男性中心に作られているからだというのも、なるほどと思った。
    頭木さんの、発達障害の人には固有の感じ方考え方がありそれが文化と言えるが、(頭木さんの持病である)潰瘍性大腸炎の文化はないと思う、という言葉に対し、横道さんがある、と答えているのも興味深い。
    発達障害の人がドラマに出てくる「天才的能力を持つ発達障害者の女性と理解ある彼くん」にうんざりするとか、病人にも病人を差別する感情があるとか、納得する話も多かった。
    頭木さんのタイムスリップものや難病ものに対する怒りにも共感。
    新しい知見が得られ、当事者にしか言えないことを聞け、本物の「多様性」や、人間存在そのものについても深い気づきを得ることができた。
    お二人とも肝を据えて語った、素晴らしい本。

  • 916

    4.5

  • 背ラベル:916-カ

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00651693

    自閉スペクトラム症とADHDの当事者と、潰瘍性大腸炎の当事者が、互いを取材して考えた、それぞれが抱える苦悩と、それぞれにしか見えない世界
    (出版社HPより)

  • やっぱり出てらしたテンプル・グランディン!ますますサックスの本読まにゃ。弁護士のドラマ、見始めました。

  • 対決というよりは、真っ当な対話だと思う。
    「ASDのこだわりをADHDが邪魔をする」という現象が、もう本当に当事者じゃないと分からない感覚だなとびっくりした。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000067909

  • 私自身は体はそこまでひどくないし
    心も別の病気だけれどこういうのは書けないし客観的になれないなあ

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著者プロフィール

頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)
文学紹介者。筑波大学卒業。20歳のときに難病(潰瘍性大腸炎)になり、13年間の闘病生活を送る。そのときにカフカの言葉が救いとなった経験から、『絶望名人カフカの人生論』(新潮文庫)を編訳。以後、さまざまなジャンルの本を執筆している。著書に『絶望読書』(河出文庫)、『食べることと出すこと』(医学書院)、『自分疲れ』(創元社)、『口の立つやつが勝つってことでいいのか』(青土社)、『痛いところから見えるもの』(文藝春秋)など、編著のアンソロジーに『絶望図書館』『うんこ文学』(ちくま文庫)、『ひきこもり図書館』(毎日新聞出版)、『放課後によむ短篇集』(理論社)などがある。NHK「ラジオ深夜便」の『絶望名言』のコーナーに出演中。

「2026年 『六人部屋の十三年間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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