脳と心的世界―主観的経験のニューロサイエンスへの招待

  • 星和書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (490ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791106363

感想・レビュー・書評

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  •  臨床と研究のクロストークは難しい。統合失調症や発達障害は、学際的な研究者がそれぞれに取り組んでいるが、遺伝子探しをしている人と、シナプスの形態を見ている人と、マウスの行動解析をしている人と、認知行動療法をしている人と、海馬や扁桃体のvolume測っている人が一堂に会してもなかなか相互理解が進まない。

     そんな時に出会ったのが、マーク・ソームズとオリヴァーターンブルの共著によるこの本。
     帯にあった、「精神分析と脳科学の合流」という見出しに惹かれ、購入。 その前に茂木健一郎と河合隼雄の対談集「こころと脳の対話」を読んで、臨床心理士や精神分析科の「職人技」をいかに科学の言葉に卸すか、ということを考えていたところだったので・・・。

     著者は、心脳問題を導入として、意識と無意識、情動、記憶について順を追って、これまでの神経学の教科書とは一線を画した視点から捉え直して行く。そして、精神分析のメインテーマである夢について1章を割いて論を展開する。
     
     全編を通して主張されることは、認知神経科学の扱う記憶・情動・意識「システム」は、結局のところ抽象的なものであり、私たちが「知覚」できるものは、主観的なシステムの一部でしかないという点で、認知科学とは「メタサイコロジー」にほかならない、ということ。

     例えば、僕たちが悲しいと思うことは、結果として意識に上った情動的知覚であり、無意識に処理され、記憶される大部分の過程は僕たちは気づくことさえない。しかし、そのように記憶された経験の総体がもとになって、新しい知覚体験が意識されて行く。

     精神分析は観察上の視点が重要視される学問であり、一瞬一瞬に変化し、客観化が難しい点から科学に馴染みにくいものは承知だが、うまく言語化できないが確かに存在する「なんとない感じ=feeling」に科学が目を向ける必要がある。クオリア(なんとない質感)もその一種。

     メタサイコロジーを解析するキーワードは、同期・自発性・揺らぎと思う。以上、忘れないようメモ程度の感想を残しておく。

  • 流し読みした。

    神経科学と精神分析に限らず同じ対象を研究するもの同士が手を取るのは有意義だ。
    様々な学問のジャンルがある中で総じて共通の対象を追っているのではないかとふと思う事が多々あった。
    ジャンルの垣根を超え互いが追い求めるものを協力して探していく姿勢はもっと広がっても良いと思う。

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