弁証法的行動療法 実践トレーニングブック‐自分の感情とよりうまくつきあってゆくために‐
- 星和書店 (2011年6月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791107742
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弁証法的行動療法
認知行動療法の1種である弁証行動療法について書かれたワークブック
主に境界性パーソナリティ障害(リストカット、極端な感情の揺れ動きや薬物依存、自殺企図など自己破壊行動)に効果があるといわれている。
弁証法的行動療法は大きく分けると下記の4つのスキルから成り立っている
苦悩体制スキル
マインドフルネス
感情調整スキル
対人関係スキル
苦悩体制スキル
徹底的受容
自傷行為の回避
リラクゼーション&瞑想
自分の価値観の発見
タイムアウト
タイムトラベルに気づく
コーピング
マインドフルネス
近年、第三世代の認知行動療法として注目されている治療法。弁証的行動療法の中でも中核となっている技法
「現在の瞬間をありのままにとらえる」とよく表現されるが、具体的にどういう技法かが本書の中では具体的に書かれている。
マインドフルネスでない状態
心配事がきになり、目の前のことに集中できない
今していたことを忘れる→これが圧倒的な感情を持つ人の場合大きな弊害となる
マインドフルになるための訓練
1分間に焦点を当てる
1つの物体に焦点をあて、どんな特徴があるのかを観察するs
心的感覚(五感で感じる感覚)の重視
3分間自分の思考を記録する
自分の思考の絵を描き、描写する
視覚、聴覚、思考に焦点をシフトさせる
マインドフルな呼吸を行う
価値判断をやめる
感情調整スキル
起こったことに振り回されずに、自分自身の感情をコントロールする術を身に着ける
何が起こったのかを分析し、自分がどう感じたかを考える
その行動の機能を考える
コーピング的な思考を学ぶ
感情を記録する
多面的に分析する(その考え方が正しい根拠、正しくない根拠の分析)
価値判断せずに自分自身を認識する
感情と反対の行動をとる
対人調整スキル
他人と円滑にコミニケーションするためのスキル。他人に対する価値判断をしない。「自分も相手も大切にする」のがポイント。交渉術の一種でもある。
相手と自分のニーズを把握する
関係を保護する形でノーという
自分の対人関係のパターンを記録し、分析する
簡単な依頼をする形で拒絶をする -
圧倒されそうな感情を健康的な思考へと導く数多くのスキルが掲載されている。
まずはマインドフルネススキルを使えるようになっていきたいと思う。 -
弁証法的行動療法(DBT)の4つのスキル、①苦悩耐性②感情調節③マインドフルネス④対人関係を、クライエント向けのレーニングメニューとして網羅していましたが、色々ありすぎて、どれから取り組んでいこうか迷います。
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私にもやれそう、なんとかなりそう、って思えたぐらい、わかりやすく、例も含めて手順やスキルの方法がありました。
徹底的受容、あたまに浮かんだことを自分好みでイメージして受け流す方法、アサーションなどなど。
マインドフルの部分は、私にはちょっと難関かな。
とにかく書くこと、はここでもとても必要で大切なことでしたね。
何もできなくても、とにかく書くことをすれば、何か起こるかも変わるかなと。
高価な本だけど、弁証法的行動療法のファーストチョイスにはとてもよかったと思う。