自分でできるスキーマ療法ワークブック Book 1 生きづらさを理解し、こころの回復力を取り戻そう
- 星和書店 (2015年7月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791109036
作品紹介・あらすじ
スキーマとは、心の深いレベルにある認知。ここに働きかけてあなたの苦しみを解消。自分ひとりでスキーマ療法に取り組めるように作成されたワークブック。
感想・レビュー・書評
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スキーマ療法を自分で行うためのワークブック。
スキーマ療法は自分のトラウマに向き合う必要があり、非常に辛い作業になる。
Book1はスキーマ療法に入る前のお膳立ての内容になっている。
お膳立てと言ってもその内容はかなり本格的。
《代表的な内容》
サポートネットワークの構築
コーピングスキルの獲得
認知行動療法のストレスモデルの心理教育
セルフモニタリングの習得
認知再構成法
マインドフルネス
これらの技法を実践するだけでもかなり効果があるはずだ。
実はBook1にはスキーマ療法の内容はほとんど出てこない。内容的にはほとんど認知行動療法である。
ただ、わざわざBook1、Book2と分けたことには非常に意味がある。
認知行動療法を学び実践できることで初めて自分のトラウマと向き合う(スキーマ療法に取り組む)準備が整う。
スキーマ療法は認知行動療法から派生した心理療法で、スキーマ療法を始める前には上記の技法を身につけることは必須級だと著者は強調している。
またワークブック全体についてだが、イラストがとても可愛く、図が多くてわかりやすい。
そして随所にワークブックに取り組むクライアントに対して著者の優しい態度が見受けられてとてもよかった。
(etc.サポートネットワークで全部の欄が埋まらなくても落ち込まなくていい、私を伴走者だと思ってくれればいい。専門的な言葉が少なく、もし使ってもその言葉を使うことに対しての配慮があるなど)
過去辛い記憶に向き合う作業はパンドラの箱を開けるようなもので、普段は意識しないよう今まで蓋をして見ないようにしてきたものである。
人によってはそれを開けることは相当辛い作業になり心が折れそうになることもあるだろう。
本来であればカウンセラーと一緒に長期間に渡ってスキーマ療法に取り組むのが望ましい。
しかし、経済的な理由やそもそもスキーマ療法を扱えるカウンセラーが少ない(認知行動療法ですらまだ我が国では広まっているとは言えない状況である)ため、このワークブック本を著者は書いている。この功績は非常に大きいと思う。
境界性パーソナリティ障害、アダルトチルドレン、愛着障害など親子関係で悩んできた人たちにはとても辛く痛みを伴う作業になると思うが取り組む価値は必ずあると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
同じ筆者様の『セルフケアの道具箱』と同時に始めたため内容がダブるところはありましたが、ワークはまた別のワークだったため安心しました。Book1はほとんどスキーマ療法を受けるにあたっての前段階みたいです。最後のワークは今まで傷ついたことを外在化するワークのため、やり始めるまでに時間がかかりました。正直やりたくない気持ち(思い出したくない気持ち)があるのだと思います。でも、そういう気持ちになっていることを受け止めてから、安心のイメージや方法もすでに書いている(味方がいる)ため、取り組めました。
傷つくことを恐れてなにもしなくてもどうせ傷つきます。私は外在化をすることで傷が薄くなった気がするため、Book2でのスキーマ療法のワークブックを楽しみにしてます。そして、1ヶ月後、1年後にはもっと自分を大切に生きていけるようになります。 -
人生を変えた本です。
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改めて自分の性質を再発見できる。
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過去の自分と向き合わなければ、生きづらさの癖は治らない。その為には、安全な中で取り組むスキルが要る。SEもEMDRも、根本は同じ。
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とてもわかりやすいし、ことばがやさしいし、イラストもなごむし、素敵なワークブックです。
ただ、中味は当然きついものなので、
じっくりとりくむには、覚悟がいるなと。
なので、私はお膳立て部分でとまり、
あとは、とにかくまず読みました。
覚悟ができたら、できなくても、
少しずつ自分年表を作ろう、かな…。 -
大きな書店の精神医学関係のコーナーで見かけて、何だか手にとる前から、自分にとって必要な本だという感じがとてもした、出会いのあった本でした。他の方が、人生を変えたと感想を書いてらして、すごく分かります。本の大きさも、イラストが添えてあるのも、内容も好きです。どれだけ役に立ったか分かりません。