複雑性PTSD 生き残ることから生き抜くことへ

  • 星和書店 (2023年4月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (372ページ) / ISBN・EAN: 9784791111138

作品紹介・あらすじ

心理療法士で自身も複雑性PTSDの当事者である著者が、トラウマを持つ多くの人たちを支え、回復へと導いた30年以上にわたる経験を綴った。
本書では、親からの虐待やネグレクトなどの心のダメージを癒すための実用的なアプローチとして、認知の癒し、感情の癒し、マインドフルネスなどのセラピーを紹介。また、自助努力による癒しをサポートするツールボックスを多数掲載した。
複雑性PTSDの苦しみを和らげ、心穏やかに過ごす方法を学ぶ一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 自身も複雑性PTSDだったという著者が、自身の体験と臨床経験をもとに書き上げた一冊。原著が出版されたのが10年前なので、まだ複雑性PTSDの診断基準は確立されていない。そのため、著者のいう複雑性PTSDがどのようなものかも、やや曖昧である。

    新しい発見として、従来のFight,Flight,Freezeに新たにFawnを加えたことが挙げられる。この機制は、DVや共依存、セラピストへの理想化を考える上で有用な概念ではないかと感じた。

    セルフヘルプ本の色が強いが、セラピストが読んでトラウマ治療の中に取り入れることも可能である。ただし、学術的な裏付けには乏しい印象。

  • 著者も体験者であることから、自分で分析もされて書かれている内容なのでとても分かりやすかったし、回復してくるときの症状などは他の本ではあまり見ないのでとても参考になりました。また、病院中心の話ではなく自分でも出来ることが書かれていたのも個人的には希望があってとても良かったです。

  • ●2025年7月14日、東京大学・書籍部にあった。2回目のセッションで寄った日。

    自分が患者なので。患者からの支持が厚いところに着目した。

  • CPTSDのこころの反応や動きについて細かく書いてあって大変参考になった。

  • 重度のトラウマ障害者治療の教科書的な本です。多くの関係者に勧めたい。

  • これまで読んだPTSD関連の書物では、ハーマンの「心的外傷と回復」以来の感銘を受けた。
    険しい道のりを乗り越えた当事者としての経験と、多くの当事者にセラピストとして関わってきた経験とが見事な果実を生んでいる。
    治療論としてはジュディス・L・ハーマン、ヴァン・デア・コルク、ピーター・レヴィンを超えている、と思う。
    認知的アプローチとソマティック・アプローチ、関与と観察、セラピーにおける自己抑制と自己開示など、極めて実践的かつ繊細なバランス感覚が素晴らしい。

    個人的には、あらゆる精神療法の難関である「内なる批判者」の扱いから学ぶところが多かった。
    これまでアン・ワイザー・コーネルやリチャード・シュヴァルツのように、内なる批判者も当人の「厳しいが心配性の味方」という扱いをしていたが、複雑性PTSDレベルではその扱いはいわば「殴られていてもその痛みをじっと受けとめる」ことを強いることに他ならないということに気づかされた。

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著者プロフィール

ソーシャルワークとカウンセリング心理学の学位を持ち、MFC25210(家族カウンセリング)のライセンスを持つ心理療法士。カリフォルニア州バークレーで個人開業をしている。カウンセラー、講師、作家、グループのリーダーとして35年、また他のセラピストのスーパーバイザーやコンサルタントとして20年にわたり活動している。
幼少期にトラウマを抱えた大人、特に虐待やネグレクトに繰り返しさらされ、複雑性心的外傷後ストレス障害(C─PTSD)の症状を抱えた人への支援を専門としている。

「2023年 『複雑性PTSD』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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