- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791700950
感想・レビュー・書評
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矢川澄子の作品については、あまり冊数を読んでいないので何も言えませんが、本書も作品論より人物について語られたものが目立つようです。これを読んで思うのは、かわいそうなひとだった。少なくとも周りの人達にはそう思われていた、 ということ。そして、憐れさというものは人をいたたまれない気持ちにさせるということ。彼女自身より、彼女をめぐる人達の彼女評に考えさせられました。かなり消耗しました。辛かったです。
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すてきなもの かわいいもの すきなもの あいするもの ふたりの間をどうしても知りたくなってのぞいてみたらすてきでいとしい、とおもいながら こころがつらくならずにはいられなくて、よみたくなりました「おにいちゃん」 澁澤龍彦のさいごのところがものすごくこころがぎゅっとなって、そこがおおきな世界だと思いました。ちょうど、この表紙の色のおもみの(なかみもないようも)ざっしで、こっそりおかあさんのアルバムをみるみたいな、昔のほんをよむような、 よくわからないことがよくわからなくなっただけかもしれないけど「おにいちゃん」というひとことのきもちとえいえんとは もうずっとずっとこころのきわきわのところで、こころのしたがわにながれるちのことを そのどくどくというところをおもいださずにいられないよ すてきなものはすてきなものですてきだからそれはすてきなもの
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今も、この本を購入した時に事を覚えています。
渋谷パルコにある?あったリブロで購入したの
ですが、お会計の時に店員さんに「この本いい
ですよね。今日ようやく入荷出来た本なんです」
と言われて、この本を購入出来た幸運に悦んだ
事を覚えています。
表紙の矢川さんの写真も素敵ですが、私は海辺で
澁澤龍彦さんと矢川さんが、花札をしている写真
が、1番好きです。 -
少女はむやみに笑わないものよ
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「いまの若い女たちは、母親業と仕事を両立させているらしい。子持ちになることは第一線からの脱落と思いこんでいたわたしたちの世代は、よほどの貧乏籤を引いたわけか。それとも女=生む性であることを忘れて男なみにと志したのは、フィジカルに自信のないわたしの特殊事情だったのか。迷いは尽きない」
と、朝日新聞誌上にて2002年、亡くなったその年にエッセイで書いている。
1930年に生まれ、不滅の少女と呼ばれた女性が。
女であることに対してのこの苦しみや迷いは、あまりにも普遍的であることに、まず驚く。 -
ともかく、
小説を、先に読もう!!!
とは言いたいんですけど
対談で、
矢川さんが亡くなるちょっと前の日々についてのお話しはちょっといいんだな。
作品を読むのに、作者の実生活とは何?
みたいな問題が孕まれてたりする本ではありました。