ユリイカ2012年4月号 特集=セザンヌにはどう視えているか

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791702367

感想・レビュー・書評

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  • 今回は、ユリイカの悪い癖が出たな、と思います。一般受けを全く狙わないのは好きな姿勢ですが、「わからせよう」という姿勢が薄すぎるのも事実。
    セザンヌの技法的解説がかなり多い。しかも紙面に実際の絵があまり掲載されていないので、理解しづらい。
    読者が離れてしまうのもわかる、といった感じです。次月号は、もう少し「わかる」と期待します。

    ※セザンヌは、とても大好きです。展覧会に行ったり、画集を見たりすると、ユリイカの言いたいことも理解できます。

  • 【展覧会】
    セザンヌ―パリとプロヴァンス
    主催:日本経済新聞社
    会場:国立新美術館 企画展示室1E
    会期:2012年3月28日(水)~ 6月11日(月)
    観覧料:当日券1,500円
    観覧日:2012年4月2日(月)

    「セザンヌ-パリとプロヴァンス」展は、「近代絵画の父」と称されるポール・セザンヌ(1839-1906年)の画業を、パリとプロヴァンスという2つの場所に注目して振り返る大規模な個展です。(ホームページより)

    【展示構成】
    1章 初期
    2章 風景
    3章 身体
    4章 肖像
    5章 静物
    6章 晩年

    出品作品リストによると展示される作品は、88点ですが、2点の展示替えが予定されていますので、一度で見ることのできるのは86点のようです。
    セザンヌの展覧会は何度か見ているし、印象派の展覧会などでもセザンヌの作品は何度も見ているのですが、初めて見るような作品が結構あります。
    特に、ジャス・ド・ブッファンの父の屋敷にあったという大きな作品「四季 春」「四季 夏」「四季 秋」「四季 冬」は、1860年ごろ描かれた作品で、ロココ風とでもいうような描き方で、ちょっとびっくりです。「岩場の水浴の男」1860年頃、は骨太の力強い描き方で、絵具もたっぷり使われています。初期の作品は、絵具をたっぷり塗った厚塗りの作品が多いようです。
    「女神の接吻―詩人の夢(フェリックス・ニコラ・フリリエによる)」「かくれんぼ遊び(ニコラ・ランクレによる)」は、他の作家の作品の模写です。色々と模索していたんですね。
    この時代のは、「林間の空地」1867年、「ピアノを弾く少女(「タンホイザー」序曲)」1869年、が目を引きます。
    セザンヌ展から帰ってきたら、かみさんが僕に「セザンヌとモネだったらどっちが好き?」と聞きます。「何も考えずに見れるから、モネの方が好きだな」と答えました。
    セザンヌの絵を見ると、ここはどうして塗り残したんだろう、とか、テーブルや皿が傾いてしまっているので、載っている果物が落ちてしまうじゃないか、とか、考えないといけないので、面倒くさいのです。
    「ベルヴュから見たピロン・デュ・ロワ」1884年、は全体をしっかり塗ってあるのですが、「風景」1888年、は大分塗り残してあります。
    「田舎の家」1879年、は、大分薄塗りで近くで見ると手抜きに見えるのですが、離れてみるとちゃんとした絵に見えます。キャンバスに色をおくときは、絵の近くで作業をしないといけないのに、離れてみたときの効果をどうやって探るのでしょうか。
    「身体」のコーナーは、いつものことながら「水浴」の関連した絵、等が並んでいます。何を狙って描いているのかわかりません。
    「肖像」では、横浜美術館の「縞模様の服を着たセザンヌ夫人」「アンブロワーズ・ヴォラールの肖像」が落ち着いて見れます。
    「静物」は、オルセー美術館の「りんごとオレンジ」が一押しでしょう。
    最後には、アトリエが再現してありますし、絵に登場する器も展示してあります。
    セザンヌ・ファン必見かなと思います。
    (2012年4月4日・記)

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著者プロフィール

1921年福岡県生まれ。画家。
『野見山曉治作品集』(講談社)、『野見山曉治版画1965−2002』(アーツアンドクラフツ)などの作品集のほか『四百字のデッサン』(河出書房新社)、『署名のない風景』(平凡社)、『うつろうかたち』(平凡社)など著書多数。

「2004年 『パリ・キュリイ病院』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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