ユリイカ 2013年2月号 特集=ゾンビ ブードゥー、ロメロからマンガ、ライトノベルまで

  • 青土社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791702503

感想・レビュー・書評

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  • ゾンビが、分析/批評の対象になりやすいのは、「空虚」な存在だから。ベトナム戦争、高度消費社会、公民権運動などと絡めた批評や考察は90年代までに語り尽くされた感がある。
    21世紀に入ってから登場した走るゾンビによるゾンビのパラダイム・シフト(笑)がどのような切り口で語らえれるのか期待して久しぶりに読んだ「ユリイカ」。

    あれ?ユリイカってこんな軽い雑誌だったっけ?
    サブカルチャーに対して掘り下げて批評/分析を加える、ある意味、非常に厄介な本だったのに。すらっと読める。

    ファンジン的な馴れ合いとマニアの「これ知っている?」的な自慢、代理店の企画書のようなマーケティング的資料、と手応えのないテキストばかり。せっかくのインタビューも突っ込んだ質問がない。
    ここにあるのは「批評」とかではなく「つっこみ」。
    作品の紹介にしても、読んでない作品を観たく(読みたく)なるような紹介はなく、知っている人が「そうそう、おもしろいよね-」とうなずくだけの閉じた感じしかしない。

    後半、法哲学などからの考察はあるものの、どーも弱い。
    ニコ動におけるゲームプレイの実況の歴史なんていうニッチなところは面白そうだけど、やっぱり「ユリイカ!」とはならなかった。

    そういえば、しばらく前にツイッター上である映画の批評(批判ではない)に対し、「そこまで考えてみるのって面倒くせー」とか、「現実と一体化しなくてもいいんじゃないか」「作られた物語に現実を重ねるのはどうか」となんくせ(批判でもない)をつけられていた。
    他にも、映画批評したら「つまんないなら何もいうな」的にdisられた、とのブログの書き込みあったりして、ファンジン的な馴れ合い(「面白かったよねー、」「ねー。」「ねー。」)しかうけいれられない状況になってきているのかなぁ、と。
    それをユリイカがやっちゃだめでしょ。

  • 映画と漫画がメイン。何せ9年前なので取り上げられている作品が古いのはご愛敬。前半はゾンビ走るの有りor無しがメイン。後半の哲学的文化的考察と、ゾンビ作品傑作選リストが楽しかった。作品リストは読んだだけで何となく観た・読んだ気になれてしまうのが良し悪し。
    特集と関係無い、スーザン・ソンタグの写真論とプラトンの洞窟、アウシュヴィッツの話も面白かった。

  • つい最近、ゾンビ襲来を読んだばかり。
    確実にゾンビブームがきている。
    最近は走るゾンビや泳ぐゾンビが発生しているようだが、やはりゾンビといえばのろのろ歩く古典的なのが好きだ。そして、フゴフゴいいながら人肉を喰らう様は感動的である。

  • ブードゥのゾンビからロメロ・ゾンビ、そして走るゾンビ、美少女ゾンビまで。

    前半の評論はロメロ・ゾンビ(ゆっくりのろのろ、腐って思考無し)と走るゾンビの差違、ぶっちゃけアリ・ナシに言及することが多い。
    中盤、「これはゾンビですか?」著者へのインタビューは変にハイテンションで大喜利のようだった。ライトノベルという側面で現在のゾンビブーム牽引役の実像を照射することが目的か。と言いながらその次の論でゾンビとライトノベルとの相性が悪いことに言及されているように、ゾンビブームについては論考を読んでもあまり実感が湧かなない。(言われてみれば、ライトノベルでホラーって言うのはあまり無かった)

    終盤は法哲学などの観点からゾンビが語られたものもあり、中々興味深かった。

  • 2013/02/12 購入。ゾンビ特集。
    走るゾンビは結構エポックメイキングだったようだ。

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