ユリイカ 詩と批評 特集 あたらしい短歌、ここにあります (2016年8月号)
- 青土社 (2016年7月1日発売)


- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784791703128
感想・レビュー・書評
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穂村弘と最果タヒの対談
岡井隆のインタビュー
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流し読み。
穂村さんが対談で紹介している谷川俊太郎の短歌がレアでありながらナイス。短歌のリズムが嫌いなのに寺山修司に無理やり作らされたという。
枝枝も私もハイドンも時の白紙に刷られる版画
午後4時の机の上に匙がある嬰児の声が庭に聞こえる
詩のような、陶酔のない、さらっとした句。 -
どうしても歌に読み手の人生を重ねてしまおうとする、しぶとい私性とのつながり。あえて正面から、鳥居さんのように、人生を扱ったルポと歌集を同時発売するという試み。定型に押し込めようとする力と軽やかに逃れる破調、そこからの、何をもって短歌とするのかという問い。様々な制約をすり抜けて、あらゆる時と人に語りかけようとする試み。楽しそうな歌会を紹介する一節。富豪短歌、ってどうかな、という穂村さんのつぶやき。わからなくてかっこいいと思った吉増剛造「燃える」を語る最果さん。興味深いトピックス多数で楽しめた。そして、気になった短歌を幾つか。穂村さんの、共感ではなく、驚異(wonder)をという言葉にも導かれつつ。「愛して」という感情は私の大事な焚き火です。きみを燃やすつもりはなかった。(最果タヒ)八月を 君にゆっくり届きたい俺に 宇宙がよこす各停(雪舟えま)手紙よ、と手紙でつつかれて起きる 諸島が一つにまとまるように (雪舟えま)傷ついたことを忘れるようにして生きるのを 逃げると同じと感じるのはなぜ(雨宮まみ)気に入りのパンティ脱いで鍋奉行 ちょっとそれは具ではないわよ(木下古栗)夜中突然正気に戻るごめんなさい私もう無理何もかも愛してるけどもう本当は(ルネッサンス吉田)それはなお続くはるさめ 銀河まで寄ろうそのあと嘘をゆるそう (山中千瀬)
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短歌のささやかな日常感とか、定型を考えるとこれしかないという神の手みたいなものを面白がる歌人の感覚、詩のブレと短歌のブレなさ、背景にある人によって変わる印象、、穂村弘と最果タヒの対談が面白かった。
尾崎世界観とか壇蜜とかの短歌があってびびる。
読んでみたいひと歌集もちらほら。
いろんな短歌の考え方や、それぞれの立場からの考察、様々な時代や人・手法の短歌など、多方面から考えることができて面白かった。
短歌は小説とかに比べてまだよくわからないところも多い形態だけど興味はある…みたいな感じだったので、ちょうど良かったのかな。
青土社の作品





