ユリイカ 2016年8月号 特集=あたらしい短歌、ここにあります

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791703128

感想・レビュー・書評

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  • 穂村弘と最果タヒの対談
    岡井隆のインタビュー

    勉強になった

  • 流し読み。

    穂村さんが対談で紹介している谷川俊太郎の短歌がレアでありながらナイス。短歌のリズムが嫌いなのに寺山修司に無理やり作らされたという。

    枝枝も私もハイドンも時の白紙に刷られる版画

    午後4時の机の上に匙がある嬰児の声が庭に聞こえる

    詩のような、陶酔のない、さらっとした句。

  • どうしても歌に読み手の人生を重ねてしまおうとする、しぶとい私性とのつながり。あえて正面から、鳥居さんのように、人生を扱ったルポと歌集を同時発売するという試み。定型に押し込めようとする力と軽やかに逃れる破調、そこからの、何をもって短歌とするのかという問い。様々な制約をすり抜けて、あらゆる時と人に語りかけようとする試み。楽しそうな歌会を紹介する一節。富豪短歌、ってどうかな、という穂村さんのつぶやき。わからなくてかっこいいと思った吉増剛造「燃える」を語る最果さん。興味深いトピックス多数で楽しめた。そして、気になった短歌を幾つか。穂村さんの、共感ではなく、驚異(wonder)をという言葉にも導かれつつ。「愛して」という感情は私の大事な焚き火です。きみを燃やすつもりはなかった。(最果タヒ)八月を 君にゆっくり届きたい俺に 宇宙がよこす各停(雪舟えま)手紙よ、と手紙でつつかれて起きる 諸島が一つにまとまるように (雪舟えま)傷ついたことを忘れるようにして生きるのを 逃げると同じと感じるのはなぜ(雨宮まみ)気に入りのパンティ脱いで鍋奉行 ちょっとそれは具ではないわよ(木下古栗)夜中突然正気に戻るごめんなさい私もう無理何もかも愛してるけどもう本当は(ルネッサンス吉田)それはなお続くはるさめ 銀河まで寄ろうそのあと嘘をゆるそう (山中千瀬)

  • 短歌のささやかな日常感とか、定型を考えるとこれしかないという神の手みたいなものを面白がる歌人の感覚、詩のブレと短歌のブレなさ、背景にある人によって変わる印象、、穂村弘と最果タヒの対談が面白かった。
    尾崎世界観とか壇蜜とかの短歌があってびびる。
    読んでみたいひと歌集もちらほら。
    いろんな短歌の考え方や、それぞれの立場からの考察、様々な時代や人・手法の短歌など、多方面から考えることができて面白かった。
    短歌は小説とかに比べてまだよくわからないところも多い形態だけど興味はある…みたいな感じだったので、ちょうど良かったのかな。

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著者プロフィール

1928年名古屋市生まれ。慶應義塾大学医学部卒。内科医。医学博士。1945年17歳で短歌を始める。翌1946年 「アララギ」入会。1951年現在編集・発行人をつとめる歌誌「未来」創刊に加わり、逝去直前まで編集・発行人をつとめる。1983年歌集『禁忌と好色』により迢空賞受賞。2010年 詩集『注解する者』により高見順賞を受賞。2015年『暮れてゆくバッハ』(書肆侃侃房)。『『赤光』の生誕』など評論集多数。日本藝術院会員。2020年7月10日心不全のため死去。享年92歳。2022年に遺歌集『阿婆世』(砂子屋書房)が刊行される。

「2022年 『岡井隆の忘れもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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