現代思想 2014年5月号 特集=精神医療のリアル DSM-5時代の精神の<病>

  • 青土社
3.00
  • (0)
  • (2)
  • (2)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 33
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791712809

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 斎藤環のオープンダイアローグについての記事が一番面白かった。

    精神障害者による当事者運動(「精神病」者集団など)の話が多め。

    あと、最近の発達障害ブームに関連して、以下の文章になるほどと思った。

    「発達障害の増加に関しても、(略)その背景には産業構造の変化があること——農業社会以前には身体障害が、工業社会には知的障害が、そして情報産業社会には、発達障害が問題化される——といったマクロな視点は必要だろう」(北中淳子「ライフサイクルの精神医療化」)

  • 「DSM-5時代」にあって、大野萌子、山本眞理、吉田おさみ、鈴木國男… こういう名前に目を向けることの必然。(逆説ではない、ということを最近わたしは身を持って感じている)
    一方で、斎藤環さんが紹介するフィンランドの治療的介入法Open Dialogueには強く惹かれるものがあった。ナラティヴ・セラピー×コミュニティ・アプローチの趣だが、現場性×思想性の統合を孕んだ、要するに上述の“当事者たち”と結ばれなければいけない目線にである。
    そしてそうであればあるほどそうなってしまう厚い壁は、やはり政治経済という病よりもますます重い現実…

  • う~ん、、、まぁご専門の方は判っていたコトだから大丈夫なんでしょうけど

    青土社のPR
    「現在、精神の病は誰にとっても身近なものになった。ところが、その病を扱う臨床の現場が、いま大きな転換期にある。
    アメリカ精神医学会の主導で世界に拡散したDSM(精神障害の診断・統計マニュアル)は
    臨床のマニュアル化、プログラム化、市場化を招き、かつその第5版の登場が各種精神疾患の既存の了解を塗り替えつつある。
    自閉症はその適用範囲を拡大し、単なる悲しみが「うつ病」になってしまうなど、
    「病」の条件が大きく変わってしまうなかで、私たちはどのように精神医療と向き合い、付き合っていけばよいのか?
    臨床現場の実感から、当事者運動/研究の蓄積から、新しい「病」の時代/時代の「病」を読み解く。」

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

斎藤環(さいとう・たまき) 精神科医。筑波大学医学医療系社会精神保健学・教授。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)共同代表。著書に『社会的ひきこもり』『生き延びるためのラカン』『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』『コロナ・アンビバレンスの憂鬱』ほか多数。

「2023年 『みんなの宗教2世問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

斎藤環の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
國分 功一郎
最相 葉月
ジャレド・ダイア...
スラヴォイ・ジジ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×