クローゼットの認識論: セクシュアリティの20世紀

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791757220

作品紹介・あらすじ

同性愛を異質化し、周縁へと追いやる異性愛主義は、19世紀末に始まったものにすぎない。メルヴィル、ニーチェ、プルーストなどを読み解きながら、その中にホモ/ヘテロセクシュアルの分断を不可能にする揺れを発見し、セクシュアリティの混沌を見つめる意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • 古典、なんだけど難しい本で、なかなか読み進めない。いや、難しいだけでなくて、扱われている事柄の解決だって恐ろしく困難だ。ホモセクシュアルに対する見方に「分離派」と「統合派」がある、という説明はなるほどと思う。実際にはその両者をときどきの都合に応じて多くのひとが採用しているような気もするが、でもまぁホモフォビックな人たちは必ずや「分離派」だなぁ。実際にはコンテクストがさまざまの「現れる事柄」を左右するんだが。S大EH院ゼミ2010年度テクストの一つ。

  • はっきりいって、最近の読書のなかでは一番苦労した。もともと気になっていた本だし、まだまだホモセクシュアリティの研究書で日本語で読めるものは少ない。かといって、本書が全般的に難解な文章から成っているわけではない。序文の問題設定は非常に明白で、ホモ・セクシュアリティに関する単純化された議論を複雑化しようとする意図は納得。
    しかし、1章から始まる具体的な作品を通しての分析・議論は私にはとてもとっつきにくい。前半はそもそも著者名も作品名も聞いたことのないものばかりでしょうがないが、後半ではプルーストの『失われた時を求めて』が取り上げられる。『失われた時を求めて』は数冊呼んだことがあるが、それでもやっぱりついていけない。それはやはりこの日本社会におけるホモ・セクシュアリティの状況、まあそれほど大きくなくても私自身の周囲における状況があまりにも違いすぎるからだろうか。
    しかし、本文を読んでいて理解できなかった、ホモセクシュアリティの普遍化の傾向とマイノリティの傾向というテーゼが、役者のあとがきを読んで理解できたってのは、やはり私自身の読解力の問題か。ともかく、これ以上書けないちょっと悔しい読書でした。
    セジウィックの前作『男同士の絆』を読むべきか否か。

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