差異について

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791758173

作品紹介・あらすじ

「真の唯物論者」ベルクソンとともに、現代思想の核心概念「差異」を正面から論じる、ドゥルーズ哲学の出発点にして、その全軌跡が凝縮された驚くべき論考。ベルクソンの全体像を論じた稀覯の初期論考を併録。

感想・レビュー・書評

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  • ベルクソンの、持続・記憶・エランヴィタールの3つの概念を、差異の概念で通観している。『ベルクソンの哲学』で問いを正しく立てることが哲学の役割であることだと言われることにも共通する観点がある。

    対象と方法との間の共役関係の中に差異の概念を見出している点も興味深い。この関係のフィールドが、問いの存在論と言われるときの存在論のフィールドかもしれない。

  • 博士論文をまとめるにあたって,僕自身が今(2005/12/7現在) 問題なのは,自分がやった内容というよりはどういう歴史的背景の中に自分のやったことを位置づけていくかという事.

    確立した分野ならそれは自明だけど,僕がやろうとしていることは,どこか一つに着陸するわけにはいかない.

    今の所,足をかける領域は発生的認識論(ピアジェ),記号論,システム理論,知能ロボティクス,計算論的脳神経科学 or 統計的学習理論というところなんだけど,含ませようとすると,他にもズラズラでてくる.

    その中で,僕自身の博論の提案点の中心的キーワードは

    「分化」

    である.


    「分化(differentiation)」が導くのは「差異(difference)」.

    ポストモダンの中心的概念(?)といわれているけど,その世界でどのように扱われているのか,よく知らない.

    僕の中のこの分化概念のルーツはピアジェだと,勝手に信じていたんだけど,
    最近ピアジェを読み返して,どうも違うような・・・


    とゆーわけで,
    「差異・分化」をキーワードに逆探索を開始しているのです.

    で,ドゥルーズ.

    昔,「ドゥルーズを哲学」って本をよんで,その意味不明さに.なんかイライラした記憶があり,敬遠していた.

    「差異と反復」とかで有名なんで,再訪.

    結果.
    やっぱりよくわからなかったんだけど.

    ベルクソン⇒ドゥルーズという流れがあるらしいことが良くわかりました.

    ベルクソンはウィナーも「サイバネティックス」の中で言及してるので,要チェックだとおもう.

    ドゥルーズの言ってることはイメージが湧かない.
    僕は結局,ダイナミックな図式的イメージで理解できない,つまり動いてる感じがわからない言説はダメらしいです.

    いつかわかる日がくるといいなとおもいます.

  • ドゥルーズ哲学の重要概念「差異」について、ベルクソン読解を通じての接近。ドゥルーズの論文そのものは短いが、解説やドゥルーズ自身によるベルクソン解説もあるため、むしろお腹いっぱいです。差異、について、こんな風に考えたことはなかった。目から鱗。内容は当然難解ながら、たとえばデリダとはちがってドゥルーズの断定形の文体は読みやすい。ドゥルーズもっと読もうと思います。

  • 思想書ながらまるで相対論でも読んでいるような気分になる。

  • 哲学書ではあるが、それほど難解ではない。
    専門の違う自分でもなんとか読み解けた。
    現代で重要視される「差異」、これを理解するための足掛りとなる良書。

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著者プロフィール

(Gilles Deleuze)
1925年生まれ。哲学者。主な著書に、『経験論と主体性:ヒュームにおける人間的自然についての試論』『ベルクソニズム』『ニーチェと哲学』『カントの批判哲学』『スピノザと表現の問題』『意味の論理学』『差異と反復』『ザッヘル゠マゾッホ紹介:冷淡なものと残酷なもの』『フーコー』『襞:ライプニッツとバロック』『フランシス・ベーコン:感覚の論理学』『シネマ1・2』『批評と臨床』など。フェリックス・ガタリとの共著に、『アンチ・オイディプス』『カフカ:マイナー文学のために』『千のプラトー』『哲学とは何か』など。1995年死去。

「2021年 『プルーストとシーニュ〈新訳〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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