アビ・ヴァールブルク記憶の迷宮

著者 :
  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791759187

作品紹介・あらすじ

図像表現の細部に宿るパトスを一身に受けとめた美術史家アビ・ヴァールブルク。その妄想と錯乱を孕んだ思考のただなかに沸騰する情念の論理を精緻に解読し、20世紀思想史の未踏の領野を照らしだす輝かしい力作。

感想・レビュー・書評

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  • 綿密な文献学的調査に裏打ちされ、卓越した構成力で記され描かれたアビ・ヴァールブルクの評伝。初期のルネサンス研究から、病んだ精神からの快復を喧伝する企図で成された蛇儀礼講演、歩行するニンフへ像への思慕、そして晩年の様々なイメージを同一平面上に配した図像アトラス「ムネモシュネ」へ。ヴァールブルクの辿ったイメージの精神史を、それと抜き差しならぬ関係にあった狂気とともに丹念に析出する。
    そくそくとヴァールブルクの身にせまる古代への憧憬。古代ギリシャへの神々が跋扈する異教的でそれゆえに蠱惑的なイメージと、往時の芸術作品が偲ばせる静謐で美しいイメージ。これらは単なる二項対立ではなくその両極が絶え間なく反転しつつ共存するファンタスムの中に存する。論理と魔術の、情念と定型の、転義と隠喩の振幅のうちにヴァールブルクは「一本の幹に接ぎ木されて花開く」。

  • ★内容もえらいこと面白いんだが、編集がまた秀逸。今まで読まずに損した(4年前にあることで競った本だから知ってたんだけど ^^;)。
     仕事そっちのけで読んだ。

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著者プロフィール

東京大学大学院総合文化研究科教授

「2022年 『イメージの記憶(イメージのかげ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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