- 本 ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791759255
感想・レビュー・書評
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明治時代の流れに乗った嘉納治五郎によって作られた
「道」を好まずあくまでも「術」にこだわった中での思想だという
殺すか殺されるかという緊張の関係から湧き出す思想のようだけれど
自律を志すところの倫理観にはとても到達できず
神への依存から始まる縦社会の道徳感を引きずった矛盾を孕む
思想のように思える
反作用を消すためには作用を起こさずに
相手の懐に入り切り込む必要がある
そのためには中心軸に身を置いたままの動きでなければ
ならないという考えに至り
底から生まれたのが新陰流であり神泉伊勢守が達した
普遍的な姿なのだと前田英樹さんは言う
これは一種の忍者的な戦法なのか
対立を乗り越えた調和への移行なのか
よくわからないが私には前田さんの生き方に共感を覚えた
河野さんの神を数はいいながらも何にも頼らず
歴史を踏み台にして一匹狼的な
すべてを自分なりに体験することで見つけ出すというのも
私の人生に通じる所もあるように思えるけれども
少し意固地になりすぎて矛盾しているいるように感じた
結局生産なく破壊である相手の隙を突いて
殺すことを目的にした修行の中で
調和という思想を云々することに最初から無理があるのかもしれない
二人の意見や生き様が似ているようであって真逆であるので
一つ置きに一人ひとり別々にまとめて読むほうが
それぞれの思いを理解しやすいかもしれない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上泉伊勢守信綱の新陰流兵法と千葉周作の北辰一刀流.後者を有名にした司馬遼太郎の「北斗の人」.司馬が従来の古流剣術を批判し,竹刀を使った現代剣道風の防具打合を賞賛している.前田と甲野は司馬を痛烈に批判している.往復書簡による真に迫る議論だ.
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「近代武術の競技化」の項で三十三間堂の通し矢が紹介されている
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帯表
往復書簡
根源的武術論
帯背
古武術の奥義 -
分類=武術・身体論。01年10月。
著者プロフィール
甲野善紀の作品





