カニバル(食人種) (Echo‐monde:collection fiction fran〓aise)

制作 : Didier Daeninckx  高橋 啓 
  • 青土社
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本棚登録 : 14
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (133ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791760268

作品紹介・あらすじ

1931年、パリ。植民地博覧会=人間動物園に送り込まれて見世物になったニューカレドニアの人々をさらなる苦難が待ち受ける…。フランス"帝国"が無垢な楽園の人々に与えた癒されぬ傷を語り継ぐ、暗い輝きを放つ物語の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 実話をもとにして書かれたようだ
    仏での博覧会、パプアニューギニアの人達は見世物になっている
    助けようとした仲間達も投獄される
    植民地時代の悲しい歴史の一面である

  • フランスにおける植民地博覧会の展覧品として連れてこられたニューカレドニアの先住民の悲劇。彼らは騙され、見世物の動物たちに囲まれて食人種という謂れもない紹介をされながら劣悪な環境に住まわされる。そしてワニと交換にドイツに連れていかれてしまった恋人の女性を追って博覧会から脱走することにしたのだが、、
    騙されたニューカレドニアの先住民同様、私はタイトルに騙された。食人のシーンなんかありゃしない。けれどもそういう好奇こそが時代や当時の植民地に対する人々の気持ちが凝縮されたものであり、タイトルになるべき単語なのかもしれない。
    そんなのを求めてる人が読むとは思わないけど、アクション満載の逃走劇の末に恋人を無事助け出してハッピーエンドとかそういう類の話ではないと、一応。

  • 『島の文化を紹介するため』と騙されて1931年のパリ植民地博覧会に連れ出されたニューカレドニアの人々の悲劇。
    植民地博覧会では宗主国の人々の好奇心を満足させるためだけに一夫多妻や食人の習慣と言った嘘偽りを演じさせられ、大量死を遂げたワニの代わりをドイツのサーカスから借り受けるためにワニと交換されてドイツに送られて…とあまりの非人間的扱いに白色人種の傲慢さを感じた。
    肌の色が違えば全てが未開人だとでも言うのだろうか。
    文章に散りばめられている彼らの寓話、多色織の衣装と言った豊かさは宗主国の人々と遜色が無いと思うのに…いや、驕りが無いだけに純粋で豊かだと思う。
    読んでいて楽しい本では無いけれど当事の悲惨さや不条理さを知るには良い本でした。

    主人公達を助けたアフリカ人の掃除夫フォファナ、主人公を庇った白人のカロの優しさが救いでした。

  • 題名から、人間が食われていくおぞましいホラーだと思って読み進めていたのだが、そうではなく、1931年フランスで行われた植民地博覧会で「食人種」として見世物にされたニューカレドニアの先住民・カナックの人々の視点に立った哀切な物語だった。この本は史実に基づいて創られており、往々にして理不尽で成り立っていく歴史のことを虚しく思った。一部の人間は傲慢になりすぎた。しかしそうではない人間もいる。それはいつの世もである。

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