元気がなくてもええやんか

著者 :
  • 青土社
3.50
  • (1)
  • (3)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 18
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791760572

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 元気を出そうとか、「正常」でいようとか、「浮き沈みをあくそう」とか、やっていると、かえって苦しくなる。「今」の自分を責めてしまいそうになる。

    森さんの本を読んでいると、元気がなくてもないなりの一日があるのだということを思った。元気がないことをどうにかするのではなくて、元気がないのなら、ないなりに、一日をどうやり過ごすのか、そういうことをしていきたいと思った。

    目的とか目標があるから、なんか今の不調を責めてしまうわけで、そんなのもともとないものとして、その日その日の気分や体調で、やれること、なんとなくひかれることをやっていけば良い

    元気がない、調子悪いは、結構。そういう自分を責めない。

    その時、その時の、「最適」というものがあるんだと思う。それをひとつの尺度や、理想などから見て、無暗やたらに調教したり、判別するもんじゃない。その時その時の状況に、その状態から向き合っていくことだけ。


    〇以下引用

    元気を強制されているような抑圧を感じてしまう

    どの部屋にも重症の結核患者がいて、友人のうちの何人かは、山の診療所に行ったきり帰ってこなかった。ところが戻って来た連中は、なぜか長生きをしていて、そのころに元気だった友人が早く死んでいたりする

    世間全体に健康強迫のきらいがあるのも気に入らぬが、たまに病院にいったとき、病院が健康を目標にしすぎているのが困る、

    →いつでも「理想の私」でいようとするところが自分にはあるが、そうではなく、尻をたたくのではなく、こういう浮き沈みの中にも、その都度の最適をみれるようでいたい。

    知識量の多い友人や頭の回転の速い友人がいっぱいいた。そうしたものはたいしたもんじゃない。人間の知とは、もっとその身に備わる芸の味のようなもの

    人生というものは、どうせあちこちに空白があって、まだらになっている。その空白のところへ、時代の季節からアイデアが舞い込んできてくれる。きまった形で世界を閉じて仕事に打ち込んでいるときには、めったにアイデアはやってこない。アイデアをお迎えするには、心に空白を伴っておかねばならぬ

    せっかく年をとったのだから、元気など出さなくて良い

    山の中でじっと休んでいるだけ。青春の二年か三年をむだにしていると言われたものだが、彼らはゆとりのために貯金をしていた

    枠を気にしていたほうだ

    昨日の自分と明日の自分が同じかはわからないが、さしあたりは今日の自分を生きるよりあるまい。

    ぼく自身は日ごとの移り気がないほうだと思うけれど、日によってまったく異なった人格が出現する人だって珍しくない

    →一元的な指標で自分をだけだと思ったりしない。ひとそれぞれ。

    ★そのころの若者はよく勉強したと言われる。しかしそれを未来に役立てる可能性はほとんどない。これは案外に本質的なことで、老人の現在と共通している。いまなにか本を読んでも、それを役立てる可能性はまずない。役に立つかなんて考える気もないのが老人のゆとり

    数学にのめりこんだこともあるが、一日に三時間で、一週間ぐらいが限度

    〆切まで徹夜でがんばっていいものがうまれるのは僥倖。たいていは、ふとしたアイデアのコンセプトと、それを展開するレトリックのセンス。

    ★なにかにのめりこむのも、若者の特性。それはたいていうまくいかぬ。うまくいくのは天から降って来たアイデアの方。

    協調性がなくて、仲間意識が苦手。協調性と社交性は違う。協調性は同文化共同体への参入、社交性は異文化とつきあうバランス

    時代からずれているからこそ、中年をうまく生きられた

    自分のミスの癖に気付いたり、考え方の不足から今後の方向付けを知ったりするのが大切

    思い通りの成功より、思いがけぬしっぱい

  • 森さんが雑誌などで発表したエッセイをまとめた一冊。まずタイトルからして良い!森さんの落ち着いてるんだけど、前向きに世の中だったり生き方を見るスタンスって憧れるなぁ!文体が柔らかいあたりも良かった!読んでて気持ちが楽になる一冊!

  • 題名に惹かれて…。
    でもお年寄りのことでした。

  • おじいちゃん。ぼくのリアルおじいちゃん世代。一文一文の区切り方は僕には得意でない感じのプツプツしたのがあるけど、すき。対象範囲前提現状要素展開分析解析収斂結果考察とかっていう感じを無化してもいいんちゃう?ってのが、元気がなくていいかんじ。おじいちゃん好きには必読。かも。

  • 「元気がなくてもえやんか」と言ってほしい時ってあるよね。

全5件中 1 - 5件を表示

プロフィール

森毅

森毅の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
フランツ・カフカ
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする