国家と祭祀: 国家神道の現在

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  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791761319

作品紹介・あらすじ

誰が死者を祀るのか。国家は祀ってはならない-"靖国"の源流を求めて「水戸学」の政治神学を精査、国民国家成立における宗教の役割をアジア大の視野で考察する。日本思想史学の第一人者がその使命を賭けて国家神道をめぐる言説の抗争に参入する。

感想・レビュー・書評

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  • 子安さんの本はいつも難解だ。しかし、いわんとするところはこういうことだろう。日本は敗戦によって過去と断絶した。だのに、靖国に祀るという行為は、日本が戦う国家であることを宣言していることにほかならない。国家が祀るとは、国家が戦うこととともに差別的で排他的な自己中心的な行為なのだから。国家は己のために祀るのである。この国家によって死に至らしめられた内外の無数の祀られない使者たちにとって靖国は欺瞞にすぎない。

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著者プロフィール

1933年生。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科(倫理学専攻)修了。文学博士。大阪大学名誉教授。日本思想史学会元会長。専攻-日本思想史、倫理学。
主著:『江戸思想史講義』『宣長学講義』『徂徠学講義』『漢字論』『思想史家が読む論語』(岩波書店)、『伊藤仁斎の世界』『平田篤胤の世界』『方法としての江戸』『仁斎学講義』(ぺりかん社)、『はどう語られて来たか』『昭和とは何であったか』『「大正」を読み直す』(藤原書店)、『鬼神論』『歎異抄の近代』(白澤社)、『国家と祭祀』『とは何か』『和辻倫理学を読む』『日本人は中国をどう語ってきたか』(青土社)。

「2017年 『仁斎論語 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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