- Amazon.co.jp ・本 (50ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791762842
感想・レビュー・書評
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岸田衿子さんの4行詩が50編。そこに安野光雅さんの絵。
行間からかすかな音楽が聞こえて来そうな美しい詩集でもあり、古代文字と壁画のような絵は黄ばんだ紙に描かれ、うっすらと楽譜が透けて見えてなんとも幻想的。
どの詩にもタイトルはない。
それぞれは繋がってるようで、繋がっていないようでもあり。
記憶の欠片を拾いながら、パズルを丹念に合わせるようにゆっくりゆっくり読み進む。
「小鳥が一つずつ
音をくわえてとまった木
その木を
ソナチネの木 という」
この4行で始まる。ここからすでに、心は本の中に旅に出る。
「島に出会うたびに
わたしはその島に
じぶんを ひとりずつ
おいてきてしまう」
ああ、そう、そのつぶやきはおそらく私のものでもある・・
砂に埋もれたまま久しく忘れていた面影が、懐かしくよみがえる。
「なぜ 花はいつも
こたえの形をしているのだろう
なぜ 問いばかり
天から ふりそそぐのだろう」
テキストは時にぐにゃりと曲がり、絵の外に転がり出ていたり逆さまになっていたり。
その装幀ごと、胸の奥に語り掛けてくる。
ほらね、ここにあった。あなたの探していたものが。
この本を開くと、はるかな国の青い海や草原を吹く風に出会える。
遠くで鳴る鐘の音が聞こえる。アッシジのまひるの城跡に入り込める。
今見えている日々とは、違う時間がここに流れている。
暑さが和らぐ夕方、庭の片隅で風に吹かれながら読んだ一冊。
読み終えてしまうのがもったいなくて、ひとつの詩を読むたびに眼を閉じ深呼吸をした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初版本を持っています。…当時、安野光雅さんの絵を、真似したりして……。 岸田衿子さんの詩の中では、 鳥につばさのあることがふしぎだ 卵から雛がかえる 親鳥になって卵をうむ そんなことよりも とか 夏の日の てのひらに つめたかった鳥の羽 雪のふる日には ぬくもりがあった羽 とか、ああ、全部、すてきです。 始めて、自分で、買った絵本。
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おはようございます。
思い出の本とのこと。
「いいね」をして良かったです。
著者の岸田衿子さん、きしだえりこさんと読むのですね。
おはようございます。
思い出の本とのこと。
「いいね」をして良かったです。
著者の岸田衿子さん、きしだえりこさんと読むのですね。
2023/04/11 -
はい。
ありがとうございます。1981年8月10日発行の初版本で、私の宝物です。さっき本棚から取り出すときに、裏表紙を少し、破いてしまいまし...はい。
ありがとうございます。1981年8月10日発行の初版本で、私の宝物です。さっき本棚から取り出すときに、裏表紙を少し、破いてしまいました。今から仕事に出るので、帰ってから修繕します。
では、行ってきます。(*^^*)2023/04/11
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あの野辺を歩いたのはだれ ほら狼と人間の足跡が並んでる
4ッ足と2ッ足ーーそれらには5千年の隔たりがあるけれど
1頭と1人は やっぱり仲良く並んで違うものを見てる
一筋は川の畔へ もう一筋は岬に立ち止まりして -
季節や景色がめまぐるしくめぐる
自分が自然と一体化したよう。 -
宝石のように美しい本。すべてにおいて完璧☆特に、泣きたくなるくらい優しい響きの言葉、暖かみのあるベージュを基調とした光り輝くような絵、そして、本のサイズ(!)もこの作品にピッタリでお気に入り。
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読んでいて楽しいの?
何か為になるの?
と問われれば「特には…」と答えてしまうけれど、でも
この本が本棚にあることで少し心が豊かになったりする。
理解しようとするよりも、滲み出てくる雰囲気を感じる本。 -
岸田衿子さんの詩に、案野光雅さんの絵がとっても合っていて素敵です。
昔話の中だったり、海の上だったり、遠い異国の地だったり…。
ふわふわと漂っている気分です。
ずっとどこかでオルゴールが鳴っているような心地よさがありました。 -
やさしくてわくわくする詩なのに、なぜかかなしくなった
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ふわっと優しい風が吹いた後の、静寂がよく似合う詩集でした。ありがたくもあり、寂しくもある孤独感がとても好きです。きっと、世界を愛しているのでしょうね。四行の詩の間から、ぼんやりと光るやわらかい情景が俄かに拡がります。それは草の匂いや水の匂いがたちあがったり、時には世界の音までもが聞こえてきたり、読むこと以上の体験です。そして、ここがいつもスタートラインではないかと思うんです。
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うつくしい本です。