文學少女の友

著者 :
  • 青土社
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本棚登録 : 105
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791763214

感想・レビュー・書評

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  • 文学賞選考文に関する章とか、ミステリに関する章とか、普通に興味深く読めたところもあるんで、基本的には、自分の素養の無さこそが、本書を十全に味わい切れなかった敗因。でも、書評とかブックガイドが、自分のお気に入りを是非とも他の人にも読んで欲しい!っていう気持ちから成り立っているものだとしたら、言及作品のうち、読みたいと思わせられたのは殆ど皆無。

  • バチバチ刺さってきました。

  • 本読みさんって、底意地が悪くてひねくれてる人が多い印象。たぶん、本を読むような奴はそうなっちゃうんです。
    要するに、なまじっか本なんて読んでるよりも、適度に無知で鈍感な方が世の中シアワセに生きられるっつーことですよ。
    そんなことをつらつら考えてしまった。
    ちなみに、上記は世の本読みさんに対する最高級の賛辞です。
    薄っぺらくシアワセに生きることに価値を見出せてないから本を読むような人間やってるんです。(暴論なのは認める)

    水曜日の軽井沢論はさらりと楽しく読めるし、木曜日のミステリ論には頷かされる。金曜日の無職的精神に勇気づけられ、土曜日の吉田健一論で心と思考のありようを振り返させられる。
    個別作家論はそんなに興味がないみたい。耽美論は一論考として読むに留める。

  • 小川洋子
    現代とは逆読みされた澁澤的キーワードの大量消費時代

  • オコガマシクも同族嫌悪という言葉が真っ先に来ました。
    脳内少女に優しくない意見がとても参考になりました…(皮肉ではなく!)当時を生きてる文学少女の気持ちを少し拝見させていただいた風味です。
    イマメカシの方々が本と出会うには少々…毒という名の先入観が入ってしまいそうな感じを受けました。

  • 著者が「共感」に懐疑的な方らしいので、私も「わかりあわなくても良い」つもりで読んだら面白かった。著者がいう、文学少女もF1層もボクラ派もエリート意識もアウトロー意識も、私の中にいる。でも、それを無自覚に傲慢に垂れ流すことはしたくない。謙虚で優しくしたたかな、読者でありたいと思った。

  • この文章は「千野帽子さんに半分反論する」と名づけようかと思います。
    そうすることで、半分は納得するけれども半分は承服しかねる、という、私のどっちつかずな態度をうまく表明させられるかもしれない、と願うからです。

    ことの起こりは、千野さんの『文学少女の友』。この中に「少年探偵団 is dead 赤毛のアン is dead」という章があり、これが堂々たるミステリ批判になっているのです。正確にはミステリマニア批判と言った方がいいかもしれないけど。
    千野さんの批判を、私なりに要約してみましょう。
    1ミステリマニアは内輪向きである。
    2ミステリマニアは教養主義的である。しかもそれを自覚していない分だけ始末が悪い。
    3ミステリはトリックにばかりこだわり、小説の肉付けをおろそかにしている。
    4ミステリマニアは自分を永遠の子供だと思いたがっている。幼稚である。
    5しかも想像の共同体を後ろ立てにして「ぼくら」「私たち」と言う。徒党を組むな。

    これに対して私なりの答えを出してみますね。ミステリ好きの公式見解ではありません。
    (もっとも公式見解なんて示しようがないけど)

    1の例として挙げられるのは茶木則雄さんが岩井志麻子さんの本に書いた解説で、作者のプライベートにおもねった志の低い文章だと千野さんは難ずる。しかし私はもともと茶木さんの書評が嫌いなので、何の痛痒も感じません。最近「これは漫筆として読めばいい」と決めたので気にさわらなくなりましたけどね。池上冬樹さんの解説なんていいですよ。試してみてはいかがですか。

    2はたしかに自覚すべし。自覚せずに押し付けるのはみっともないことです。
    ただ教養主義自体は、大抵のジャンルがたどる道でもあるから、これは仕方ないですね。……でもこれを真剣に考えると「教養とは何か」というものすごく面倒な問題になるので、とりあえず保留します。ごめんなさい。

    3はねえ、たしかに描写のへたなミステリは多い。ただ、ちょっとニュアンスが違うんですよ。「ミステリにはトリックさえあればいい」ってわけじゃない。
    そうじゃなくて「描写はへただけどトリックはいいから、まあ大目にみるか」という感じなんです。描写はうまい方がいいに決まってる。ただミステリにはもう一つの評価法があるから、それでまずい小説を救済しているともいえる。
    ちょっとずれるけど、私は飛浩隆さんでは「ラギット・ガール」より「象られた力」の方がいいと思うのに、SFとしては前者の方が上らしい。これは、私がSFなりの評価法というのをよく知らないからなんでしょう。だからといって私の評価は変らないし、それはそれでいいんだと思う。

    4はよくわからない。これミステリ好きの特徴かなあ。だれだったかも「心はいつでも14歳」って言ってたし、「男って、いつまでたっても子供だよね」とか「女の子の気持ちを忘れないようにしたいから」とかいう物言いは、世間一般でも妙に通りがいいじゃござんせんか。
    私は藤子不二雄信者だけど、自分のことを子供だとは思わない。子供じゃないもの。
    こう正面切っていうのは恥かしいけど、私は大人です。立派な大人かどうかはともかくとしてね。

    んで、5もミステリに限ったことじゃないと思う。
    徒党は組まない方がかっこいいのはそりゃそうです。
    でも組む人もいる。それは仕方ないね。

    2007年10月28日記
    (この項『ブック・イン・ピンク』評に続く)

  • 月刊誌「ユリイカ」に発表された著者のデビュー評論(「小川洋子論」2004年4月号)を冒頭に、「ユリイカ」をはじめとする各文芸誌へ発表された7編の文学論を集めた1冊。本好きな人(友)へ宛てた曜日ごと一週間の手紙という形式でまとめられている。 何とも意味ありげなタイトルは、戦前のハイカラ少女向け雑誌『少女の友』を意識したもので、著者独自の美意識が込められている。いつもの読み手へのオカマっぽい語りかけ口調で、滔々と独自の作品論がユニークな解釈と博識な知識を交えて展開される。今回は初期の評論が多いこともあり、ことのほか毒気のある辛口のものが多い。 個人的になかなか充実していると思ったのは木曜日の手紙。その「『心は少女』の罠」という評論では、エンタテインメント小説は本当に楽しめる娯楽小説足りうるのかといった観点からユニークな持論が展開されている。また、堀辰雄の犯した罪と罰ゆえ、その後の文学史上に名を留めることになった「軽井沢」の功罪を水曜日の手紙として多数の本と共に紹介。ここには得意な文壇ゴシップも満載。

  • 小川洋子論、澁澤他人形をめぐる物語達、文学に見る軽井沢、ミステリに於ける作者と読者の共同体の閉鎖性、高等遊民、ニート、引きこもり、無職の男女が主 人公の文学、吉田健一の言うダンディズム、芥川選評で見る芥川賞といった月曜日から日曜日までの7つのテーマで構成された、少し毒も入った読書エッセイ。
    室生犀星は稲垣足穂に、「美少年は君、ホータイするものだよ」と聞かされて、降参したそうだが、ワタシもこの箇所を読んで、参りました!と頭を下げてしまった。
    自分が如何にベストセラーなるものと無縁なのか、偏った象牙の塔に籠もっているのか再確認した本。

  • プロットよりも雰囲気・人物・セリフ、本に実益を求めない、守備範囲は狭く深く…そんな孤高の「文学少女」、私は極められないけど気持ちはわかる。作者も語るとおり、「私はこの一冊により成形されました」的な偏執は活字に溺れた少女なら陥りがちな事態だが、それが年を経て捨て切れなければ痛い病になるので要注意。少しスパイシーな語り口ですが、装丁からのイメージとは裏腹しっかりした考察と膨大な引用ありの文学エッセイ。本選びにも良いかもしれない

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