失敗学: デザイン工学のパラドクス

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791763344

作品紹介・あらすじ

失敗とは、「期待された性能と実現された性能とのあいだの受け入れえない差」である。薬のビンのデザインから高層ビルの設計まで、さまざまな事例にそくし、失敗からいかに学ぶかを検証する。

感想・レビュー・書評

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  • プラトンの岩屋が、洞窟の入り口を背にして、壁を向いている囚人の話だというのを知りました。
    そこからOHP,パワーポイント1.0(Macintosh用)の話まで持ってくる。

    ウォルトディズニーコンサートホールの壁面の反射光で、向かいの居住者の目がくらむ。

    Intel Pentiumのある条件化で2つの数を掛けると正しくない答えを出す。

    手に触れ得ないもの

    1970年代 カナダ原子力庁テラック 
     高エネルギーの電子ビーム
     xを誤タイプ、eに変換 e表示、実行。しかしeに切り替わる前に実行した。操作が速すぎ。

    Nancy G. Levson ahd Clark S. Turner "An investigation of the Therac-25 accident, computer, July, 1993
    Seven Casey, Set phasers on Sw And Order two tales of design , technology and human error, santa barbara, Calif. Aegean publishing 1993

    小さいものと大きい物
    手のうちに収まる=小さいもの
    一人の人間が持ち上げられない=大きいもの

    ボストンのジョンハンコックタワー 窓がはずれて落ちる
    ニューヨーク シティコープセンター 

  • 残念な一冊だった。おすすめできない。著者の言いたいことはただ一つ「デザイナーは成功よりも失敗から多くを学ぶべき」ということのみで、二百数十ページを費やして同じことを延々と述べる本だった。

    山もなければオチもなし。事例が豊富かと見せかけて実はそうでもなく、気がつけば失敗とは関係ないデザイン発達の経緯を述べていたりもするし、それぞれの事例についての説明は図が少なくて分かりにくい上に深みが足りない。

    また、過去の成功例より失敗例の方が重要との主張に関しても論拠は極めて弱く、このような失敗に基づいてこのような物が作られたという話が次々と出てくる割には成功例との対比など相対的な評価が皆無だ。そのため、ある意味カルトの教祖のような語り口になってしまっていて、一般論への拡張性や説得力はほとんどない。

    唯一心に残ったのは「過ちはナイフのごときもの、刃を掴むか柄を掴むかによって、役にも立つし怪我もする」という言葉だけで、これは著者の言葉ではなくアメリカのジェイムズ・ラッセル・ロウェルという詩人からの引用だった。

    和訳もかなりお粗末だ。気が付いただけでもコンピュータのウィンドウを「窓ガラス」、"What if"を「なにが-もしも」などと考えられないような悪訳が散見され、他にもどんな誤訳をしているか分からない。誤植も多い。

    著者自身がデザインの失敗を「期待された性能と実現された性能とのあいだの受け入れ得ない差」と定義しているが、それに従えばこの本自体が失敗以外の何物でもない。これに学んで読者にはよりよいコンテンツをデザインして欲しいという意図ならばなかなかのものである。

    2009-04-17 thru 2009-04-22

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