先端で、さすわさされるわそらええわ

著者 :
  • 青土社
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本棚登録 : 863
感想 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791763894

作品紹介・あらすじ

よるべなき虚空をゆく一個の疑問符は何を貫き、何に融けるのか?"少女"という憑坐を得て、いま言葉はうたい、さわぎだす。圧倒的新星の伝説的デビュー作を含む7編、ここに爆誕。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルに惹かれて図書館で借りてきた。川上未映子さんは小説家である、と思っていたら、小説ではなく詩のコーナーにあって、確かに散文詩だった。

    独特のスタイルで、よく理解できなかった。自分の文学性の欠如の問題なのか、感性の違いによるものか、よくわからないが、著者の感性が素晴らしく独特であることだけはよく分かった。小説は読みやかった(と記憶している)だけに不思議な感じがする。


  • 雑誌で紹介されてた、初めての作家さん。言葉のリズムと感性が豊かで、紙面を言葉が生きて飛び回ってる錯覚を感じる。

  •  文章表現の自由さを垣間見た感じ。でも理解不能。音読したら心地よかった。急に音読したら猫ビクッとしてた。猫ビクッ。

  • 例えば世界トップクラスのサッカー選手がドリブルで何人ものディフェンスを抜き去ってゴールを決めたり、
    名ピアニストがリストの超絶技巧曲を易々と弾いて見せたり、
    そういうのを見ると圧倒されてしまって、なんか逆に笑えてきたりすることがある。
    そしてあんなふうにできたらきっと楽しいだろうな、と思ったりするのだ。

    そういう、誰にもできないことをいとも容易げに、然も楽しげにやってしまえることを、才能とかプロとかいうんじゃないだろうか。

    こんなふうに自由自在に言葉を書き連ねることができたなら、きっと楽しいのだろうか。それとも苦しいのだろうか。


  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  •  何と言ってもショックだったのは、このハードカバーを買って読み始め、一休みしていたら同作が筑摩書房で文庫化されて出たことである。貧乏な上に本の置き場にも困る身としては、これほど悲しいことはない。先日は桐野夏生さんの『路上のX』でも同じことが起きたばかりではないか。いや、読書人は誰でも、「ハードカバーをようやく入手したら間もなく文庫版が出てしまった」という悲劇的経験を数多く積んでいるのではないだろうか? それとも自分に運がないだけか?
     2008年刊行のこの「詩集」は川上未映子さんの超初期に属するものだ。小説『わたくし率 イン 歯ー、または世界』が2007年で、本書に含まれている表題作は2005年。まだ彼女がビクターからシンガーソングライターとしてCDを出し、ブログで破天荒な言語爆発を繰り出していた頃である。
     本作、詩集とは言っても散文詩で、改行は少ない。この時期の彼女の卓越した感覚に支えられた言語遊戯がストレートに炸裂しているのは期待通りだった。
     もっとも、表題作はちょっと支離滅裂すぎるのだが、2006年、2007年に書かれた散文詩になると物語要素が支配的になってくるため明解である。彼女の言語感覚の卓越はこの次元でも十分に味わえる。
     最近の川上未映子さんは倫理的思考が強くなってきていて、あまりにも平面的な、明解なロゴスに滞在してしまうと文学作品としてはむしろそれは私には弱点に見える。倫理よりも言語なるものは「上」なのだ、と彼女には頑張ってほしいと勝手に期待している。本作はそういった彼女の潜在的な力を約束しているはずなのだが・・・。
     ちなみに、彼女にはもう1冊同様の「詩集」である『水瓶』を、私は本書と同様にやっとハードカバーで購入したのだが、何とこれも、文庫化されるらしい。

  • 7編
    頭の中で思いつくまま連想が飛躍するままあるいは妄想のごとき情景を、脈絡なく書き散らす。鮮烈に浮かび上がってくる情景、感覚に目眩がしそうだ。
    表題作、少女はおしっこの不安を爆破、心はあせるわと彼女は、四時の性交にうっとり、うっとりよが良かった。

  • 【先端で、さすわ さされるわ そらええわ】
    川上未映子 著

    頭で思っている事、喋る事をそのまま文章にした短編詩集。
    音読してみたら面白い。
    『お風呂でおしっこしたい』

    川上さんの創造の原点がここにある。
    第14回中原中也賞受賞作。

  • 本全体が話し口調で始めは読みにくかった。
    ところどころ、あー確かになぁ、と考えさせられるところがあった。
    どちらかというと、抽象的な表現の本が好きな方におすすめかもしれません。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川上未映子の作品

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