- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791765195
作品紹介・あらすじ
検索、それは万能の叡知か?それとも見せかけの神託か?グーグル、ヤフー、MSN、百度…。もはや私たちの生活に欠かすことができないものとなったネット検索は、政治・経済・文化を動かす重要なファクターに成長し、「検索社会」と呼ぶべき状況を呈している。しかしほんとうに世界中の情報を参照し、叡知のツールとして駆使することができるのか?検索エンジン戦争の帰趨やソーシャブル・サーチなどの可能性から、検閲、自主規制、プライバシー、意図的操作などの諸問題まで。検索がもたらした社会の変容と未来を展望する。
感想・レビュー・書評
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図書館
search -
検索エンジンの進歩とドットコムバブルとは軸を一にしている。
検索エンジンを使うのに技能など要らない、というのが一般の通念だろう。
もともとWebでの検索は学者や学生たちが信頼のおける知識を求めて行うものだった。
検索エンジンが提供するものは検索だけではない。世界の知的労働へのアクセスを提供してくれる。
知識労働者の仕事がネット上で商品化、交換されている。 -
2010.02.14 朝日新聞に掲載されました。
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現状グーグルの一人勝ちで、
本書でも独占及び寡占状態は
しばらく崩れないであろう記述がある。
そういう面で今後さらに加速するであろう、
一私的企業の権威化(個人情報収集力や
情報操作の権力化において)は、たしかに危惧される。
個人を特定はしないものの、ウェブ上のふるまいを全て
監視されていると思うと確かに怖い。
また、多くの面接官が応募者をウェブ上で検索し、
判定の一基準として使用されている点や、
いわゆる高校デビュー的な過去を消す行為も
ウェブ時代では出来なくなるという指摘も納得。
忘れたい過去が延々と残るというのは、
人間の長所がひとつ無くなることだ。
しかしウェブ及び検索エンジンの利便性は甚大であり、
せめて本書で取り上げられているように
検索エンジン側の公開性は今後も求められるべきだと思う。
個人情報の問題は簡単ではないけれど、
意外に、昔の田舎町村のように、
「周りに監視されている」という意識のほうが、
人は適切に生きるのかもしれない。 -
09/12/26