東京から 現代アメリカ映画談義 イーストウッド、スピルバーグ、タランティーノ

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791765393

作品紹介・あらすじ

なぜ、この三人なのか?明日もまた、アメリカ映画は変わらず続くのか?東京より、愛を込めて。

感想・レビュー・書評

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  • こういう系統の本(映画評論家や映画監督による映画談議)は初めて読んだのですが、とても面白かった!

    映画史や映画技術、ナレティブの型に関する非常に専門的な話が繰り広げられている傍ら、あなたたちいったい何十回イーストウッドを変態呼ばわりすれば気が済むのかと(笑)

    ちなみに、本の中で何人かのハリウッドの映画監督の名を挙げて「まったく、立教大学で(蓮實さんの講義を)学ばなかったからこんな下手な映画になっちゃうんだよ」的な発言が何度もあり、それを読んでいると、別に映画は門外漢でしかない私まで、立教大学で蓮實さんの講義を受けなかったことで人生の非常に大事な部分が抜け落ちてるような気分にさせられるから面白いというか厄介というか。

    そうだよねー、やっぱり映画もちゃんと系統だって勉強・研究しないといけないですよね。
    蓮實重彦さんの他の著作も探して読んでみようっと。

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB02106193

  • スピルバーグがゴダールとイーストウッドを自作に出演させるとする。そんな夢のような話を読みながら至福の妄想にふけった。タランティーノは黒沢清のライバル?たしかに。

  • この本を読むための映画知識を欠いていたので、読むのが難しかった。

  • 蓮實重彦と黒沢清の師弟(?)対談。
    イーストウッド、スピルバーグ、タランティーノについての三対談を、蓮實と黒沢それぞれの文章で挟んだ構成。
    この二人の(そして更に青山真治もこの中に入ってくるが)映画の審美眼がわかりたくて読んだが、わかったような、まだわからない。
    世間の良い映画悪い映画とは重なりもし、全然ちがう審美眼。映画の表現技法は奥深いんだなあああ。

  • 言いたい放題w

  • 映画批評家・蓮實 重彦の問いかけと、監督・黒沢清からの応答とともに、2人が「現代アメリカ映画を代表する」3人の映画作家について豊かな知識とブレない視点で論じる様は圧巻。読み終わったあと、「映画ってやっぱすごい!」と叫びたくなる映画がさらに好きになる事、間違いない1冊!

  • インディジョーンズのばかばかしさが楽しい。
    スピルバーグのカラーパープルはわからない映画だった。
    シンドラーのリストはまずフィクションとしてよくできていた。ナチス、アウシュビッツの恐ろしさが具体的に描かれていた。ユダヤ人が何をされたかを果敢に表現した。
    彼らが英語をしゃべるのがよい。まるで40年代の対ナチスプロパガンダ映画のように
    英語をしゃべるはずがない連中がみんな英語をしゃべる。こうしたハリウッドの伝統は通すべきだ。ユダヤ人たちがみんな英語をしゃべっているのにドイツ兵はドイツ語をしゃべっている。

  • イーストウッド、スピルバーグ、タランティーノ。

    1 ストーリと感情の山場をズラす。

    ストーリーとしての山場と感情表現は絶対一致させない(日本のテレビドラマはほとんど一致している??)

    小津→憤る女性たち

    2 バイプレーヤー

    自分(主人公)より弱い人間に救われるという説話
    自分より肉体的に弱くて足でまといなんだけど、頭がキレていざというとき瞬間的なひらめきによって窮地をしのぐという役柄。

    3 映画ってカットが変わると何が起こるかわからない。

    カットがスムーズにつながっているのってけっこうマヤカシなんじゃないか。
    話し手から聞き手の顔にカットが変わった瞬間、何もかもが変わってしまう可能性がある。これは映画の絶対的な条件である。

    4「映画で見つめ合う瞳を撮ることはできない」

    「俳優が見つめ合う会話」は物語を呼び寄せる。

    「俳優が見つめ合わない会話」を撮ることは絶対的に難しい。

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著者プロフィール

蓮實重彦(はすみ・しげひこ):1936年東京生まれ。60年東京大学文学部仏文学科卒業。同大学大学院人文研究科仏文学専攻修了。65年パリ大学大学院より博士号取得。東京大学教養学部教授(表象文化論)、東京大学総長を歴任。東京大学名誉教授。仏文学にとどまらず、映画、現代思想、日本文学など多方面で精力的な評論活動を展開し続けている。著書に『表層批評宣言』『凡庸な芸術家の肖像』『映画の神話学』『シネマの記憶装置』『映画はいかにして死ぬか』『映画 誘惑のエクリチュール』『ハリウッド映画史講義』『齟齬の誘惑』『映像の詩学』『『ボヴァリー夫人』論』『伯爵夫人』『ジョン・フォード論』ほか多数。

「2023年 『ゴダール革命〔増補決定版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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