『グレート・ギャツビー』の世界 ダークブルーの夢

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  • 青土社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791767052

感想・レビュー・書評

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  • 中西部と東部の違い、いくら自らの手でお金を稼いでも超えられない身分の壁、と言った事をはじめとして、グレート・ギャッツビーの世界の背景を情熱的に語ってくれる一冊。「北部ミネソタの美の結晶を彼女に見せたかったのだ。そして、その美しさを共有したかったのだ。」(氷の宮殿、について)/「所詮この世に永遠のものなど存在しない。それならばいっそのこと、短くとも、最も美しく輝いているものを求めよう。」「いつかは目の前から消えてしまうことを知っていたからこそ、一瞬でもいいからその手の中につかみ取りたかったのだ。やがてはダークブルーの闇の中に消えてゆく美を、その手のひらに載せて鑑賞したかったのだろう。」(p.23)/「やがては消えていくとわかっているからこそ。消えゆく美、それを留めることができる場所はひとつだけだ。それは記憶。一旦そこに収まった美は永遠だ」(p.25)/これらのシャツのすべてにギャツビーの忍耐の日々が詰まっているかのようだ。それは絢爛豪華なようでいて、実は彼の苦悩の象徴なのだ。そう思うとなんとも悲しいシャツの山に見えてくる。それらの色が鮮やかなだけにより切ない。 」(p.77)/ニックが結局はギャツビーの遺志を引き継いだこと、終わりのない夢、手の届く少し先にある、走り続けなければ見れない夢、アメリカの夢とギャツビーの関わりについても語られる。読む前から思っていたけど、やはり、グレート・ギャツビーを読み返したくなった。

  • ちょうど最近、レオナルド・ディカプリオ主演の『華麗なるギャツビー』という映画が公開されている。この映画の原作である『グレート・ギャツビー』という名作の魅力がわかる一冊。原作を読んでから、読むと新しい発見があると思います。
    (教育学部 国語専修)

  • あまりにもセンチメンタルすぎる。ついていけないって思って一回読むのストップしてたのに、久しぶりに手に取ってみて気がついたら一気読みしてた。すっかり気持ちがアメリカに持っていかれた。
    ただ、私が男に生まれてたらもっと素直におもしろいなって読めたんだろうなという感じ。
    グレートギャツビーを扱ってるんだから仕方がないと言われればそれまでなんだけど、それでもこの本自体は21世紀に出版されているわけだし、女性も人間だって知らないのかなというのが気になった。

  • 文芸評論かと思ったら、ただのエッセイだった。やや期待外れ。

  • 『グレート・ギャツビー』ってのは田舎から東京に出てきて、お嬢さんに惚れて何とか近づこうとした野心的体験でもないと、中々理解できない物語だなってのを再認識した。これは登場人物に感情移入できないと物語を楽しめないという男にありがちな欠点が原因なのかもしれないが。
    本書は『グレート・ギャツビー』の解説というよりはフィッツジェラルド作品全体の解説になっているので、色々読んでないとわからない部分が多々あり。

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著者プロフィール

1953 年神戸生まれ。上智大学大学院修士課程修了。成蹊大学教授(アメリカ文学)。2007 年秋、ミネソタ大学客員教授。著書に『村上春樹を読む。―全小説と作品キーワード』(イーストプレス)、『アメリカの消失―ハイウェイよ、再び』(水曜社)、『グレート・ギャツビーの世界―ダークブルーの夢』(青土社)、共編著書に『レイ、ぼくらと話そう―レイモンド・カーヴァー論集』(南雲堂)、『ニュー・ジャズ・スタディーズ―ジャズ研究の新たな領域へ』 ( アルテスパブリッシング) など。

「2017年 『映画は文学をあきらめない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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