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- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791767496
感想・レビュー・書評
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著者の前著『古事記はいかに読まれてきたか―“神話”の変貌』(2012年、吉川弘文館)の続編というべき内容の本です。
『古事記はいかに読まれてきたか』では、本居宣長の古事記解釈を、中世以来の古事記解釈史の流れのなかに置くことでその意義をあらためて考えなおす試みがなされていましたが、本書で最初にとりあげられるのは『古史成文』などの平田篤胤の著作です。ときに誇大妄想的とも評されがちな篤胤の神話理解を、「中世神話」などにうかがえる神話的想像力の系譜のなかに置きなおすことで、その内容を理解するための大きな枠組みを示しているところに、本書の価値があるのではないかと思います。
さらに著者は、千家尊福によって提起された「祭神論争」や、出雲の国に古代ギリシアの世界をかさねたラフカディオ・ハーン、そして民俗学者の折口信夫などの仕事をたどり、近代以降の思想史のなかに神話的想像力がどのようなかたちで息づいていたのかを考察しています。詳細をみるコメント0件をすべて表示