マーニー教 再発見された古代の信仰

制作 : 青木健 
  • 青土社 (2014年4月9日発売)
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  • レビュー :3
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791767724

作品紹介・あらすじ

イエス・キリストを教義の枢要な地位におくマーニー教は、ゾロアスターや仏教の要素を接取しつつ東西に拡散、「真のキリスト教」との自認のもとに一時は全ローマをマーニー化する勢いをしめしたが、その教勢も今日までにほぼ消滅、真の姿はいまだベールをかぶったままだ。後に「異端=マーニーの残党」とイメージされるほどの恐怖をキリスト教会に植え付けたマーニー教とはいかなる宗教だったのか?この古代の魅力的な宗教についてグノーシス研究の立場から考察し紹介する、絶好の入門書。

マーニー教 再発見された古代の信仰の感想・レビュー・書評

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  • マーニー教(マニ教)については、ほぼ何も知らないと同じ
    状況だったので、店頭で見かけたこの本を読んでみた。
    タイトルから何か新しい発見─例えば、埋もれていた写本が
    新たに見つかったとか─があり、それにより考えられた新説
    を紹介する本ではないかと思っていたのだが、そういうわけ
    ではなく、これまでの先達の発見・研究を踏まえて新たな
    解釈を提案する本であった。門外漢の私にはその節の是非は
    一切わからないのだが、少なくともこの本が「マーニー教」
    の入門書としては適していないことは確か。マーニー教に
    ついては知らなくても、その周辺、グノーシス主義だったり
    ゾロアスター教などについてある程度の素養が無いと読む
    のに難儀する本、だと思う。訳者あとがきにもあったように
    文章も難解な感じだったし。どこかの機会でもう少し初心者
    にわかりやすい入門書を一冊読んでみよう。

  •  マーニー教(マニ教)文献の再構築、再解釈によりマーニー教とは何であったかを明らかにする事を目的として書かれている。

     マーニー教といえば、世界史を履修していれば必ず目にする宗教であり、古代中国においても「摩尼教」として伝わっているがその実態はあまり知られていない。実はマーニー教はキリスト教の座をかけて争った「今のキリスト教」のライバルであり、勝者たる「今のキリスト教」に敗れたことによって破壊されてしまったためほとんど残っていないのである。では、なぜ文献の再解釈が可能であるのかというと、キリスト教がマーニー教を攻撃するために書いたものが残っており、また、定期的にマーニー教研究が行われているからである。もっとも、その研究も批判目的の研究であるが。著者の論の展開は非常に単純で、批判文献が批判、攻撃している事柄を読み取り、それをマーニー教の考え方であるとする。そして、他の文献――主に数少ないマーニー教側の文献――と照らしあわせて実体を明確にしていくという展開になっている。

     こうして追ってくとマーニー教は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、更にはゾロアスター教の要素も取り入れ体系化を図ったものであり、特にキリスト教の影響を多く受けたキリスト教の一派といえなくもない性質を持った宗教であることが見えてくる。そうであればキリスト教になろうとしたことも理解できるし、キリスト教から攻撃を受けたのも理解できる。マーニー教とは何であったかという問いに明確な答えを返すことは難しいが、少なくともキリスト教になろうとしてなれなかった宗教であるとだけは言える。

     マーニー教とキリスト教、そしてキリスト教から見たマーニー教という前提知識を必要とする難しい内容であったが、どうにか読みきった。読みづらい文章との格闘でもあった。もっとも、文章の読みづらさに関しては翻訳の問題ではなく原文の酷さによるもので、あとがきによれば「複雑な文章構造」「ピリオドの使い方を忘れたのではないかと思わざるをえないような書き方」「細目表示がない」などひどい有り様だったらしい。とくに、一文で一段落を構成する、つまり日本語でいうところの悪文が多数あったという。それを少なくとも通読できるレベルにまで再構成した訳者の苦労はいかほどのものであったかは想像に難くない。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:168.9//B15

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マーニー教 再発見された古代の信仰はこんな本です

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