春画と人びと―描いた人・観た人・広めた人

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  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791767939

感想・レビュー・書評

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  • 春画先生を観て。春画の歴史、文化的価値など分かって面白い

  • 「春画」というとなんとなく江戸時代のアンダーグラウンドな庶民文化くらいにしか思っていなかったけれど、著者はそれを真面目に研究しており、「春画」を特別視せず日本文化の一部として普通に接するべきだ、との考え。初めて「春画」というものをちゃんと見て、その歴史を知ったけれど、かなり興味深く読めた。

    驚いたのは、中学高校で習う「葛飾北斎」しかり「喜多川歌麿」しかり、著名な浮世絵画家はみな当然のごとく「春画」を描いていたということ。そして、それを学校の授業では完全に隠されていたということ。

    そりゃあ、中高生にあの絵を出しづらいのはわかるけれど、美人画も春画も両方描いてきたのが歌麿という人であるのに、その片方がタブーになっていることが怖いというか。たかだか戦後になってから入ってきた西洋的な道徳観に縛られすぎず、江戸時代当時の文化であり風俗をちゃんとそのままの形で受け止める度量を持っていたいものです。

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著者プロフィール

1940年北海道生まれ。早稲田大学文学部中退。長年、独立した編集者として現代美術から浮世絵にいたる美術書を編集。春画研究への大きなインパクトとなった『浮世絵秘蔵名品集』(学術研究社、全4巻)をプロデュースしたことでも知られる、わが国屈指の浮世絵・春画研究者。国際浮世絵学会常任理事を務め、ヘルシンキ市美術館や大英博物館の春画展にも協力するなど、海外での評価も高い。2014年逝去。著書に、『春画の色恋』(講談社)『奇想の春画』(洋泉社)、『絵入春画艶本目録』(平凡社)、『春画と人びと』(青土社)ほか多数。

「2017年 『江戸の春画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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