暴力の人類史 上

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (700ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791768462

感想・レビュー・書評

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  • 6つのトレンド: 平和化のプロセス、文明化のプロセス、人道革命主義。長い平和、新しい平和

    5つの内なる悪魔: プレデーション、ドミナンス、リベンジ、サディスム、イデオロギー

    4つの善なる天使: 共感、セルフコントロール、道徳感覚、理性

    平和主義のジレンマ - 変化の外性要因は、1) リヴァイアサン、2) 穏やかな通称, 3) 女性化、4) 輪の拡大(視点取得)、and 5) 理性のエスカレーター

  • 開発目標16:平和と公正をすべての人に
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99754193

  • 上巻だけで652ページ!
    とてつもなく長い。その中で小さな喧嘩から戦争まで、人類の歴史の中で考察されている。
    下巻が楽しみ。長いけど。
    しかし、誤字脱字が多すぎるのはなぜだろう?

  • 7月10日から読み始めて上巻、下巻ともに、途中中断もありながらも、ようやく8月末に読み終える事ができた。合わせて1300ページ超におよぶ大作である。本書は、暴力の減少を検証している。

  • ふむ

  • 人類の歴史がいかに暴力に満ちていたか――という内容かと思ったら、そうじゃなかった。
    むしろ、暴力はどんどん減ってきていると。それを豊富で詳細なデータを使って説明しています。

    本書を読む前は、私は「人間ってのは暴力から逃れられないんだ……」と悲観していたので、だいぶ気が楽になりました。
    もちろん、「ほうっておけば世の中よくなるから万事オッケー!」みたいな能天気な話ではありませんが。暴力の数は減っているけど、質(一度に殺傷できる数)は増しているので、気を抜くなと著者のピンカーは警告しています。

  • 筆者の伝えたいことは良く分かるし、平和化・文明化のプロセスについては、実現困難ながらも暴力フリーの理想的な社会の構築条件を想像させる画期的な構想だと思った。先史時代から現代に至るまで、市民生活レベルで暴力が減ってるのは良く理解ができるし、個人的な細かいレベルにおいても相互不信を最小限にするため、悪い言葉使いを控えたり最低限のマナーを守ることは重要だと認識させられた。 ただ過去の出来事の羅列とそれが発生した背景について、分かりきった内容が続くためにページが無駄に多くなってしまってる。筆者は色んなデータを収集、把握しているかもしれないが、カミカゼ特攻隊員が偉大な精神世界に飲み込まれていたと考えているのは、各事象を正確に把握できていないし想像力に欠けていると思わせる

  • 歴史
    社会

  • 世界は数千年の歴史の中で最も安全な時代になっているという。日常の感覚としては、テロや内戦など、とても安全とは言えないニュースが多いが、本書にあるように、暴君が気まぐれで村の住民を皆殺しにしたり、秘密警察に連れて行かれたり、特定の民族を大量虐殺したり、宗教戦争が何十年も続いたり、武士に問答無用で斬り殺されたりはしない。戦争はあっても期間が短くなったことで、民間を含む死者は激減しているという。9.11のようなテロは数十年に一度の発生確率。これは、民主主義と国際貿易が浸透し、戦争などを行うコストが得られるメリットと見合わないことを指導者も国民も理解したこと、文明文化の発達により私刑や虐殺などが容認されなくなったこと、平和推進活動が世界的な潮流となることができたことなどが理由とされている。ただし、このような「長い平和の時代」が「永遠の平和の時代」にはならないだろうとも警告している。イスラム過激派の活動がどうなるか、中国・ロシアをはじめとする民主的でない国がいつ暴発するのか、大量破壊兵器がテロリストに渡る確率は低いがゼロではない、天変地異が大量の難民や暴動を引き起こす可能性、などなど。わずかな変化も見逃してはならないという主張に賛同。

  • 上下巻合わせて、1300ページ超。

    2年くらい前に買って、かなり長い積ん読を経つつ、読んでは休みしながらも、ついに読了。

    単純化すると世界の暴力は減少している。わたしたちが今生きてるのは、世界史的にもっとも暴力の少ない世界である。という話。

    読む前には、「そんな馬鹿な」と思ったが、読み出すと、圧倒的なデータ、研究の統合がなされていて、かなり説得力は高い。

    本のかなりの部分は、人間の暴力が減少してきたことの論証。

    ここまで、説明されても、本当か?と思うほど、「世界は暴力だらけだ」という観念はなかなか消えない。

    でも、それは、私たちの暴力への感度が上がり、昔だったら、気にならなかったようなことが、暴力的と感じ、報道されるからかも。

    では、なぜ暴力は減少するのか?

    という説明は、結構難しい。

    まずは、人間の心の中に暴力的なものがあるということを理解しないと、昔は暴力が一杯であったといことが説明できない。

    だが、ここで人間には生まれながらに暴力的なものがある、ということを認めない思考がある。(この非暴力的な思考がまさに暴力を減少させている一因であるが)

    次に、その暴力を抑制するメカニズムも色々あって、決定的なものではないのだが、20世紀以降の急激な暴力の減少を説明するためには、「理性」の役割が大きかったという話になる。

    現代においては、「理性」というのは、批判の対象となりやすいのだが、著者はその観念も打ち消していく。

    そんな感じ、これまで「暴力」について、持っていた観念が、大きくひっくり返る。

    そして、この本は、私が素人なりに、少しづつ考えてきたことを統計と実証研究でサポートしてくれる。

    人間性に対して、新しい形の信頼を取り戻してくれる本。

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著者プロフィール

スティーブン・ピンカー(Steven Pinker)
ハーバード大学心理学教授。スタンフォード大学とマサチューセッツ工科大学でも教鞭をとっている。認知科学者、実験心理学者として視覚認知、心理言語学、人間関係について研究している。進化心理学の第一人者。主著に『言語を生みだす本能』、『心の仕組み』、『人間の本性を考える』、『思考する言語』(以上NHKブックス)、『暴力の人類史』(青土社)、『人はどこまで合理的か』(草思社)などがある。その研究と教育の業績、ならびに著書により、数々の受賞歴がある。米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」、フォーリンポリシー誌の「知識人トップ100人」、ヒューマニスト・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた。米国科学アカデミー会員。

「2023年 『文庫 21世紀の啓蒙 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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