暴力の人類史 下

制作 : 幾島幸子  塩原通緒 
  • 青土社
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本棚登録 : 491
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (700ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791768479

感想・レビュー・書評

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  • たいていのピンカー作品同様に、一息に読めてしまう秀作。

    にしても、邦題タイトルがひどすぎる。
    「何を読んでいるの?」と聞かれた際、人に見せると100%誤解を受けた。「残虐そうだね」と。
    ビートルズがやってくるヤァヤァヤァみたいな、わけのわからない邦題だ。人間の残虐性みたいなのに訴えかけて、パッと見の興味は惹くのだろうけど・・・・。
    The Better Angels of Our Nature: Why Violence Has Declined
    本性にあるより良い天使たち:なぜ暴力は減少したのか
    みたいな素直な邦題でいいじゃん。。。

  • 下巻はいかに平和な時代になったかというその背景を分析したもの。
    心理学の話が多いが、ゲーム理論的に効用の高い平和・平和の戦略よりも暴力が支配戦略だったのが、歴史的な知識の積み上がりやコミュニケーション技術の発達で繰り返しゲームになってきた。とはいえ第一次第二次世界大戦はベキジョウ的な戦争被害の曲線の橋にいるものとして突発的に存在しており、このような事象がなくなることを絶対視もできない。

  • 世界中で色んな人に読んで貰いたいと思う内容だけに、もう少し無駄部分を省いて、繰り返しを無くして、うまくまとめた内容にしてほしかった・・ 4章から7章はとくにそう思う
    現代を生きる人が生物学的に進化してるのかという考察は非常に興味深くて面白い。本書では否定されているが、今後もこのテーマを扱った研究に触れたいと思った
    世代ごとの知能指数変化をサンプリングした結果のフリン効果については不知の内容で勉強になった
    上下巻合わせてページが膨大なだけに、多数の文献・論文から引用があり、読んだことがある著作などが出てくると嬉しかったりする

  • 歴史
    社会

  • 暴力を引き起こす原動力となる5つの要因「プレデーション(捕食)」「ドミナンス(支配・優位性確保)」「リベンジ(復讐)」「サディズム」「イデオロギー(宗教含む)」が、平和をもたらす4つの要因「共感」「セルフコントロール(自己制御)」「道徳」「理性」によって抑制され、世界はかつてない平和な時代だという。この法則が正しいのなら、5つの暴力要因の強烈さと、4つの平和要因がなんとも脆弱で、薄氷を踏むような状況であることに不安を感じる。

  • 上巻は史実と統計で暴力の減少傾向を詳らかにしたが、下巻は人間の内省に焦点を当てて、理性と本能の変遷を分析している。例えば権利革命での女性含む権利的マイノリティの沽券獲得は興味深くあるものの、上巻の大胆な視点や論法のダイナミズム、優れた発見に比べると見劣り感は否めない。内容も冗長的で600ページも必要だったのかな?と思ってしまった。「内なる悪魔」「善なる天使」も人間の本質を捉えようとし優れた考察ではあるが、あまりに多面的な論点と数多の実証実験を論拠とした展開は「もう分かったから」と食傷気味になってしまう。

    章ごとの質の粒度にバラツキはあるものの「暴力の人類史」全体では非常に面白い書籍ではあった。

  • 下巻もボリューム満点で読み応えあり。一気に読んでしまうのは勿体無く、それぞれの項目について、じっくり考えながら読まざるを得ない、実に示唆の跳んだ、中身の濃密な著作です。「暴力」をテーマに人間の本性に基づく分析を下巻で徹底的に突き詰めながら、上巻における、その本性が展開してきた歴史を俯瞰し、そして人間が求める「幸福」に一歩ずつ進んでいることを丁寧に証明してでいきます。現代の古典と呼ぶにふさわしい名著だと思います。

  • 上巻で人類の殺人・暴力が一環して減少していることをデータで示し、下巻では人間の内的要因を進化心理学者として説明している。脳の機能、心理という観点からの説明なので、厳密な因果関係の説明は困難であり、著者の希望的観測もあるが、膨大な文献、資料を結び付けた説明は説得力があったし、知的刺激を大いに受けた。

  • 現在までに、多くの種類の暴力が減ってきた。なぜそれが実現したか。下巻は心理学・認知科学的な考察。
    我々は人類史上最も幸せな時代を生きている。心構えとしても大事だし、実際に統計でそれを示すというのは実に野心的だがデータに説得力がある。

  • 面白かった。人類の歴史を通じて、暴力が減少しているというのは非常に興味深い指摘である。ただやっぱり統計の妥当性は本当なの?という点が気になってしまう。全然レベルの違うものを同じ土俵に載せている気がしてならない、というか…。

    心理学の知見を歴史学に持ち込めるか、という点も議論があって面白い。日本の歴史学ではほとんどそういう傾向はないけれど…近いものとして、認知考古学があるけれど…。以前神経経済学の本を読んでこれはすごいことだ、と思ったが、歴史にもそういう流れが今後入ってくるかもしれない。そうなったときに、既存の手法をもっている歴史学者は徐々に駆逐されていく…のかもしれない。

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