- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791769117
感想・レビュー・書評
-
「人生は、配られたカードで行うゲームのようなものであり、手札の良し悪しに文句をつけてはいけない」。ある大学卒業式の式辞が思い出された。
進行する難病の奥様の介護をすることになった著者は、たまたま制度が始まり、運よく空きがあったと、むしろ手札に感謝するかのように関門を越えて行く。
人間は、自分が体験しない事は、なかなか想像がつかないと思われる。介護という良く聞く言葉。受ける本人や家族、施設の様子。経済、時間の実際が、自身の気持ちの吐露や猛烈な奮闘とともにつづられる。
涙なくして読めない介護日記であり、想像も出来なかったその現実、自分の生きる意味まで再考させてくれた著者に深く感謝したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今野先生の壮絶な介護日誌
頭がよく美しかった奥様が、痛みに耐えかねて毎日泣く大声で泣きわめくようになってしまうなど、壮絶な闘病と介護の記録 -
介護士時代を思い出して重たい気持ちになってしまった。
でも、この内容は本当に本音だと思う。
自宅介護は辛いけど頑張ってよかった、みたいないいところだけアピールするような話より、この本の内容はまったくもってホーム入居者の方の赤裸々な心境だと思う。
かなり切羽詰まった綱渡りに近い生活…介護は本当に簡単ではない。
もっと介護士に光を当ててほしい。 -
終活、の方のあとがきを読んで、続けて読了
奥さんと娘さんの発病
介護の大変さ
施設選びの苦心・苦労
DVの話などもあけすけ。
お金は大事だなあ、と思う。 -
916
-
老夫婦に残されたものは、40年を共にした、”記憶”だった
脊髄小脳変性症 特効薬 セレジスト
ウィリアム・ワイラー 映画 我等の傷害の最良の年
どんな人にでも、一生の中には”最良の年”と呼べる年があるということだった。
ショーペンハウエル 死んだ人は、たとえ姿は失われても、夢の中で何度でも会うことが出来る。夢と現実は、実用面で違うだけで本質は同じだ -
こんなに奥さんが大好きな旦那さんでも DV みたいなことをしてしまうほど追いつめられるのが介護という現実。
「死んでも墓はいらない」と言っていた妻が突然「お墓がほしい」と言い出した本当の理由がラストで明かされるが、ちょっと感動的。これ、帯に使えばいいのに。一方通行で好きなだけだと思っていた夫への妻の告白もちょっと感動的。 -
夫婦の愛の本。医療介護行政と そのための税収確保策は 失敗している と つくづく思う
-
これまでと一転,御自分のために書かれた内容.しかし,誰にでも訪れる可能性のある将来を赤裸々に明らかにして頂いており,読者の将来の可能性の一つとして大変参考になる.相も変わらず読ませる筆致で,とても人ごととは思えず読む手が止まらない.