二つの「この世界の片隅に」―マンガ、アニメーションの声と動作―

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  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791770038

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  • マンガに埋め込まれた声の肌理や速さ、質感が如何に丁寧に読み取られ、アニメの動きや時間に表現されているか。再現ではなく微細に異なる並行世界での来歴を持つ、ひとりの人物。マンガとアニメーション、それぞれのメディアの感触を探る。

    マンガもすごい、アニメもすごい。ここまで読み解けるのもすごい。雑誌での昭和-平成の同じ年月での連載だったこと、そしてその研究を支えるインフラとしてマンガミュージアムがあるということも。

  • 漫画や小説などを読んでいると音が聴こえたり匂いがしたりするもので、それが楽しいのです。

  • 原作版、アニメ版の違いを詳細に比較し、それぞれで語られたこと語られなかったことをあぶり出し、また、それぞれのセリフ、背景を精密に読み込んで導き出される仕掛けの数々に驚かされる。そんな細かいことどうでもよくない?という声を押しのけて、神は細部に宿るという思いを強くさせられる。リンさんが、すずさんを周作さんの妻と気づく場面の解き明かしが一番印象に。

  • 荻上チキのセッション22に登場して歌の話をしていたのが面白くて、「うたのしくみ」を欲しいものリストに入れていた著者。
    「ユリイカ」の論考「「漫画アクション」の片隅に」が面白かったので手を伸ばした本書。
    これは読んで本当によかった。
    漫画からアニメへ翻訳される際のあれこれ、爪の有無、睫毛と瞳の向き、擬音がコマとどういう関係にあるのか、などなど大きなテーマから小さな技巧まで、なんと面白い絵解きをしてくれている。
    永遠に読んでいられる漫画、永遠に見続けることのできるアニメ映画、をさらに永遠に楽しむ手引書だ。

  • 圧倒的に細かくマニアックな読み込みと、それに応える作品の奥深さ。映画や原作を見てよかったと思う人は読むとさらによかったと思える。他の作品に関してももっと分析してほしい。

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著者プロフィール

早稲田大学文学学術院教授、滋賀県立大学人間文化学部名誉教授。専門は人間行動学。相互行為場面における声と身体の時間構造の分析を行う一方、さまざまなジャンルの作品批評も行っている。主著に『二つの「この世界の片隅に」』『絵はがきの時代』『浅草十二階』(青土社)、『介護するからだ』(医学書院)、『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』(新潮社)、『うたのしくみ』(ぴあ)、『今日の「あまちゃん」から』(河出書房新社)他多数。編著に『ELAN入門』(ひつじ書房)。

「2020年 『漂流の演劇 維新派のパースペクティブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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