記憶の海辺 ― 一つの同時代史 ―

著者 :
  • 青土社
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本棚登録 : 33
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791770236

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  • 行ったこともないのに
    すっかり その地の風に身をまかせたような
    気がしてしまう
    逢ったこともないのに
    その場に 居合わせてその話を聞いていたような
    気にさせられてしまう
    池内紀さんの分の魔力、魅力である。


    そして、今回は
    その池内さんの自分史を辿りながらの
    その時々の歴史的な史実を辿りながらの
    同時代史である

    そこで
    池内さんと出逢うことになる
    その時代の人たちの何と魅力的なこと
    フラウ・ブロノルドさん
    カール・クラウスさん
    小林市太郎さん
    レニ・リーフェンシュタインさん
    ギュンター・グラスさん

    むろん、
    池内紀さんご自身のことも
    語られる
    控えめに、
    ユーモラスに、
    きっちりと、
    語られる

    読んでいる間
    極上の時間が流れ
    読み終えたあと
    極上の余韻に
    包み込まれます

  • これまで何冊か作品を読んだ、ドイツ文学者・エッセイストの池内紀さんの自伝的作品ということで面白そうなので購入しました。

    単なる自伝というより、副題にあるように「同時代史」的な作品でした。幼少の頃から60歳頃まで、その時々で池内さんが感じていたことが臨場感を持って伝わってくるとともに、その時代がどんな時代であったかも感じることができます。
    著者の若かりし頃のウィーン留学時代の話(池内さんらしくとっても自由!)であったり、これまで池内さんが研究したり翻訳したりして接してきた作品の話であったり、本当に面白くまたいろいろと興味が広がりました。
    これまでいくつか読んだ池内さんの作品(自著・翻訳も含めて)の一節などが、ちらちら登場したりしてそれもまた楽しいです。
    「自分に許されたひとめぐりの人生の輪が、あきらかにあとわずかで閉じようとしている。」とあとがきに書かれていましたが、まだまだお元気で楽しい作品を読ませていただきたいなぁと思わずにはいられませんでした。

  • 坂井 豊貴(経済学者・慶応大教授)の2018年の3冊。
    人生の回想。自由であろうと奮闘する日々の記憶が、静かにつづられる。

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著者プロフィール

池内紀(いけうち おさむ)
1940年11月25日 - 2019年8月30日
兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト。神戸大学助教授、東京都立大学教授を経て、東京大学文学部教授を歴任。1996年の退官以降、翻訳・エッセイに注力。著書に『海山のあいだ』『見知らぬオトカム』『祭りの季節』『ことばの哲学』『恩地孝四郎』『消えた国 追われた人々』など。代表作となる訳書は『ファウスト』『カフカ短編集』『カフカ・コレクション』など。

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