亡霊のジレンマ ―思弁的唯物論の展開―

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791770847

作品紹介・あらすじ

「メイヤスーの哲学は、ポスト構造主義から引き継がれたテーマ、キーワードを、
人間的意味を徹底的に無化する方向へとラディカライズしている」(序文:千葉雅也)。
来たるべき神と全人類の復活を謳う表題作から、議論を呼んだマラルメ論まで。
『有限性の後で』では表れなかった、メイヤスー哲学のもう一つの相貌。

感想・レビュー・書評

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  • ズーラヴィクビリに捧げられt『減算と縮約』を納める

  • T.N

  • 既存の哲学への反論や再解釈、新たな文学ジャンルを提唱したり詩の解釈に向かうなど内容は結構多岐に渡るが論文のチョイスと並びに一貫性があり、繋がりが感じられる。段階を踏んた丁寧な展開が評価されているのだろう。古典的方法に則りつつ新時代の哲学が披露される。

    カオスは合理的。
    あらゆるものの原理を解明できるようになった未来の科学との融合が待たれる哲学。
    FHS──科学外世界のフィクションと自ら提唱したジャンルの中にメイヤスーの哲学もあるような、論文自体がフィクションを思わせる飛躍した内容だ。だが生物の感情が電気信号で流されたコードによるものだと判明している今、形而上学は消えつつあるのか。そこは対抗する唯物論さえ必要とされない地平だ。

    高次の神の存在が明らかになり、実は私達の行動も逐一神の手によって操られているのであった…ってRPGで散々見たやつだこれ。

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著者プロフィール

カンタン・メイヤスー(Quentin Maillassoux) 1967年生まれ。パリ第一大学准教授。著作に、Le Nombre et la sirène: Un déchiffrage du Coup de dés de Mallarmé(2011)、Métaphysique et fiction des mondes hors-science(2013)など。

「2016年 『有限性の後で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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