誤訳の典型

著者 :
  • 聖文新社
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本棚登録 : 73
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784792217099

作品紹介・あらすじ

多彩な翻訳に触れ、さまざまな誤訳に学び、ことばの「使い方」・「妙味」を実感する。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた。
    タイトルに惹かれて借りてみた。英語から日本語に翻訳する上で、誤訳されていることはままあるが、そのさまざまなパターンを例示している本だ。調べたら著者は受験英語を教えている方らしく、なるほど誤訳には厳しい立場だ。
    どんな誤訳があるのか、色々読んで楽しめる。真逆の意味になったり、全然違う話になってしまったり。
    見方によっては、受験英語の添削集をひたすら見せられているとも感じてしまいそうだが、翻訳家のプロレベルのテクニックと思って読むと、「こんなこと考えながら翻訳しているのか~」と面白くはあると感じた。…まぁ、このレベルの翻訳は目指すことは無いかな。

  • 意外と読むのに時間がかかった。文字が小さい。説明は丁寧で参考の文章が多く書かれている。文法説明もていねいである。

  • 2017/06/27
    2冊目。

  •  誤訳に焦点を当てた英文読解・鑑賞の本(なお翻訳技術の指南の性格は薄い)。
     解説は丁寧なので高校生であっても読むことはできるが、やはり内容は高度で、私も一読で理解できたかと問われれば簡単には肯定できない。英文を読むことに関して、より高いレベルに挑戦しつつ、ここまで楽しめる本は少ないと思う。
     文句なしでおすすめ。ただし、受験生は合格するまで我慢した方がいい。

    【版元】
    著者:中原道喜
    版型:四六 判 244頁
    定価:本体 1,600 円(税別)
    ISBN:978-4-7922-1709-9

    好評の『誤訳の構造』に続く待望の書
    【文学から,映画の字幕・広告・歌詞・大統領のスピーチまで】
     多彩な翻訳に触れさまざまな誤訳に学び、ことばの「使い方」・「妙味」を実感する
    http://www.seibunshinsha.co.jp/index.html

    【目次】
    はしがき(2010年 夏 著者) [i-ii]
    目次 [iii-vi]

    Part 1 誤訳の妙味
    01 人生の三大要素 002
    02 世界一の幸せ者はだれ 003
    03 有名は束の間 004
    04 激昂するナポレオン 006
    05 雷鳴:稲妻 007
    06 男に名前を呼び続けられる 009
    07 「嫌う」のか「嫌われる」のか 010
    08 超絶技巧の使い手 012
    09 「これより気にしないことはない」とは 013
    10 「棒紅」をぶらさげた警官 017
    11 「顔」でなく「心」が獣 018
    12 「笑った」のか「吠えた」のか 019
    13 大酒樽を詰めこんだ腹 020

    Part 2 誤訳のタイプ
    [A] 「語・句」に関する誤訳 022
     <01> 「誤訳」ではなく「誤植」
     <02> 単語の意味を間違えたもの
     <03> 形が似た単語の混同
     <04> 多義語の意味の区別を誤ったもの
     <05> 辞書で調べても誤訳しやすい場合
     <06> でたらめ訳
     <07> イディオム(熟語・成句)を間違えたもの
    [B] 「文法・構文」に関連する誤訳 048
     <08> 冠詞
     <09> 修飾関係
     <10> 文型・文構造
     <11> 強調構文
     <12> 関係節を含む構文
     <13> 時制
     <14> 比較表現
     <15> 否定表現
     <16> 準動詞(不定詞・分詞・動名詞)
     <17> 省略表現
     <18> 挿入要素
     <19> 相関関係
     <20> 「複合」誤訳

    Part 3 誤訳のレベル(5段階チェック)
    レベル1  084
    レベル2  088
    レベル3  092
    レベル4  096
    レベル5  100

    Part 4 こんな誤訳もある
    §1 広告文 106
    §2 映画・テレビの字幕 109
      〔A-1〕 ふつうの文や慣用的な表現の,字幕での誤訳 
      〔A-2〕 映画化された小説の,翻訳と字幕の訳文を比較して 
      〔B〕 映画化された小説の,翻訳と字幕の訳文を比較して 
    §3 歌詞 114
      〔A〕 原文の表現をそのまま訳出しにくい場合 
      〔B〕 ふつうの誤訳とみなされる場合 
    §4 大統領就任演説 117
    §5 複数訳者による重複誤訳 121
      〔A〕 ある翻訳では誤訳,別の翻訳では正訳
      〔B〕 二つの翻訳で,両方とも誤訳 
      〔C〕 同一箇所について正訳・誤訳がそれぞれ複数あるもの 
    §6 Yes と No 130
    §7 オノマトペ(擬音語と擬態語) 135
    §8 「正訳」が文脈により「誤訳」になる 140
    §9 意図的な誤(?)訳 143
    §10 名作の人物の取り違え 144
    §11 訳し落とし・書き加え 146
      〔A〕 「語」単位の訳し落とし 
      〔B〕 「句」の訳し落とし 
      〔C〕 「節」を含む部分の訳し落とし 
      〔D〕 「文」の訳し落とし 
    §12 原文離れが目立つ誤訳 153
      〔A〕 (平易な文の)迂闊な誤訳 
      〔B〕 (やや複雑な文の)苦しまぎれの誤訳 
      〔C〕 (原文尊重を離れた) “作文”混じりの誤訳
    §13 難度の高い誤訳 169

    Part 5 誤訳40選
    01 名詞(ratings) 
    02 前置詞(off) 
    03 形容詞(big) 
    04 イディオム(cut ~ dead) 
    05 省略・イディオム(Must be off their hands) 
    06 前置詞(in) 
    07 動名詞(There is no ~ing) 
    08 接続詞(so [that]) 
    09 前置詞(for) 
    10 前置詞(as) 
    11 動詞(see to it that~) 
    12 不定詞(stop to think) 
    13 イディオム(have a sweet tooth) 
    14 イディオム(take one’s chance, You can say that again) 
    15 名詞(shrink) 
    16 前置詞(on) 
    17 イディオム(no by along shot) 
    18 名詞(mind) 
    19 前置詞(beside) 
    20 動詞(get scared) 
    21 比較表現(no more ~ than …) 
    22 動詞(suppose) 
    23 否定(fear not sleeping) 
    24 イディオム(at best) 
    25 イディオム(serve ~ right) 
    26 文型(want + O [+ to do]) 
    27 代不定詞(want to) 
    28 前置詞(with) 
    29 動詞(suggest) 
    30 後置前置詞(cling on to) 
    31 慣用表現(Look who’s talking) 
    32 名詞(equation) 
    33 動詞(meet ~ with …) 
    34 再帰代名詞(see oneself out) 
    35 接続詞(like) 
    36 比較表現(more of a ~) 
    37 前置詞(for) 
    38 ことわざ(be seen and not heard) 
    39 慣用表現(There but for the grace of God ~) 
    40 イディオム(so many) 

    索引  [225-235]

  •  最初の「誤訳の妙味」の節では、単に誤訳を批判するのではなく,
     謝った訳の面白みを解説してくれているところがすごい。
     修辞学をもちだし、最後に落とすことをBathos頓降法というとか
     だんだん持ち上げていくことをclimax漸層法というとか。
     著者の見識の高さに脱帽。
     出て来る例題も,それだけで勉強になるものが多い。
     受験生の息抜きにもよい。

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著者プロフィール

中原道喜: 元開成高校教諭。長年にわたる経験にもとづく的確な指導と,入念な著作には定評があり,広く信頼された。主な著書に『基礎英文問題精講[3訂版]』『基礎英文法問題精講[3訂版]』『英語長文問題精講(新装版)』(以上旺文社刊),『英文標準問題精講[新装5訂版]』『英文法標準問題精講[新装4訂版]』(原仙作著,旺文社刊)補訂。


〈補訂者〉下永裕基: 明治大学准教授。専門は中世英文学,英語史。兵庫県生まれ。長崎・海星高等学校を卒業後,上智大学文学部英文学科を経て,同大学院英米文学専攻博士後期課程満期退学。オックスフォード大学キャンピオン・ホールに客員研究生として留学。浦和明の星女子高等学校,東洋大学,上智大学などで講師を務めた後,現職。本書の旧版に編集協力として関わる。

「2021年 『基礎英語長文問題精講』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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