長谷川如是閑の政治思想 社会・生活・日本と「保守」の心性

  • 成文堂 (2024年6月12日発売)
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本 ・本 (242ページ) / ISBN・EAN: 9784792334390

作品紹介・あらすじ

明治・大正期に活躍したジャーナリストである長谷川如是閑の思考方法と秩序観を明らかにするという問題意識のもと、戦後における「日本的性格」論の帰結まで視野に入れて考察する論文集。

感想・レビュー・書評

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  • 1. 概要
    本書は、日本における社会、生活、文化に関する思想的な探求を通じて、個人と共同体の関係、国家と社会の相克、そして日本的性格の形成に関するテーマを扱っている。

    2. 社会と生活に対する如是閑のアプローチ
    - 思想課題: 如是閑は、現状批判を行いつつ新たな社会秩序を模索した。
    - 共同体との折り合い: 理念や抽象的な理想に依存せず、日常生活を重視した。
    - 個人の自律性と多様性: 日常生活の中から、個人の自律性と多様性を尊重する文化や習慣の重要性を強調。

    3. 日本的性格論の展開
    - 生活事実の歴史化: 日本の国民的性格を考察し、「生活事実」という概念を再評価。
    - 批判の方法論: 抽象的な原理に依拠せず、具体的な生活事実を基盤とした社会の理解を追求。
    - 実践知の追求: 他者との共存を可能にするための「実践知」を探求。

    4. 煩悶青年の思想
    - 自我の再確認: 戦争を背景に「煩悶青年」としての立場から社会批判を展開。
    - 生活事実の重要性: 日常生活を「生活事実」とし、それに基づく共同体的秩序の可能性を探る。

    5. 国家と社会の相克
    - 国家の博物学: 国家を固定的なものとしてではなく、生活の機構として捉える必要性を主張。
    - 社会生活における国家のあり方: 国家は人々の生活に根ざし、進化するものであると考える。

    6. 社会有機体論の転換
    - 個と共同性の相関: 個人の欲望や利己心を抑えつつ、共同性を再生するための理論的枠組みを模索。
    - 行動の体系としての社会: 日常生活を前提にした社会の概念を形成し、相互依存の重要性を強調。

    7. 日本における「生活事実」とナショナリティ
    - 実在主義的視点: 日本の歴史や文化における「生活事実」を重視し、抽象的な思想に囚われない実践的なアプローチを提唱。
    - 文化接触論: 異文化との交流を通じて日本人の「国民的性格」が形成される過程を考察。

    8. 自由と民主主義
    - 文化と政治の分離: 文化が政治に従属することへの批判を展開し、本当の自由を獲得するための努力の重要性を説く。
    - 戦後思想の形成: 戦後の社会における民主的主体の形成が求められる中、自由の概念を再評価。

    9. 結論
    本書は、如是閑の思想を通じて、日本社会における個人と共同体、国家と社会の関係を深く掘り下げ、生活の中に潜む真実を探求する意義を明らかにしている。また、現代における自由や民主主義の在り方についても考察を行い、実践的な知恵を提供する。

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